ニュース速報

ビジネス

中国当局、国有銀にドル預金金利の上限引き下げ指示=関係筋

2023年06月07日(水)00時34分

関係筋によると、中国人民銀行が監督する自主規制機関が人民元を支えるため、人民銀の監督下にある主要な国有銀行に対しドル預金金利の引き下げを指示した。今年1月撮影(2023年 ロイター/Dado Ruvic/Illustration/File Photo)

[上海/北京 6日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)が監督する自主規制機関が人民元を支えるため、人民銀の監督下にある主要な国有銀行に対しドル預金金利の引き下げを指示した。事情に詳しい4人の関係者が明らかにした。

自国通貨の人民元の価値を下支えするための珍しい試みで、6日から適用された。

この動きは、輸出企業を中心とする中国企業に対し、外国為替取引の決済を人民元で手がけるように促す可能性がある。

人民元は対米ドルで約半年ぶりの安値に下落している。ドル高と米連邦準備理事会(FRB)の利上げを背景に、多くの中国企業がドル建てで収入を蓄えるようになっている。

複数の関係者によると、5万ドル以上のドル預金に対する中国の銀行の金利は4.3%が上限になる。これらの関係者はメディアに話す権限がないとしてロイターに匿名で話した。

複数の関係者によると、大手銀行が提供できる新たな金利は、従来の上限である5.3%から100ベーシスポイント引き下げられることになる。

軟調な経済指標、米国との利回り差の拡大、企業の配当支払い予定、外国人による株式や債券の売却による資本流出の継続などで人民元は圧迫されている。

人民元は、中国が新型コロナウイルス対策を緩和して国境を再開した1月の高値から対ドルで6%超下げ、今年に入って最も大きく下落しているアジアの通貨の1つとなっている。直近の取引レートは1ドル=7.1199元だった。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

パナソニックHDが今期中に1万人削減、グループの業

ワールド

インド、パキスタンによる国境全域での攻撃発表 パキ

ビジネス

日経平均は続伸、米英貿易合意や円安を好感 TOPI

ビジネス

日本製鉄、今期純利益は42%減の見通し 市場予想比
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 2
    ついに発見! シルクロードを結んだ「天空の都市」..最新技術で分かった「驚くべき姿」とは?
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 5
    骨は本物かニセモノか?...探検家コロンブスの「遺骨…
  • 6
    中高年になったら2種類の趣味を持っておこう...経営…
  • 7
    教皇選挙(コンクラーベ)で注目...「漁師の指輪」と…
  • 8
    恥ずかしい失敗...「とんでもない服の着方」で外出し…
  • 9
    韓国が「よく分からない国」になった理由...ダイナミ…
  • 10
    あのアメリカで「車を持たない」選択がトレンドに …
  • 1
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 2
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 3
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 4
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 5
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 6
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見.…
  • 7
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 8
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どち…
  • 9
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 10
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 6
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中