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〔情報BOX〕半導体製造装置の輸出規制、対象品目と企業への影響

2023年03月31日(金)17時13分

[東京 31日 ロイター] - 米国から半導体製造装置の対中輸出規制を求められていた日本が、仕向け地を中国に限定しないながらも、7月から規制に踏み切る見通しとなった。経産省は高性能装置に対象を絞ったとし、「ボリュームゾーンを作る装置ではないため、企業の業績への影響は軽微」と説明する。それでも日本メーカー10数社に影響が出るとしている。

東北大学国際集積エレクトロニクス研究開発センターで副センター長を務める品田高宏教授は、エッチング装置の東京エレクトロンや露光装置のニコン、洗浄装置のSCREENホールディングス、検査装置のアドバンテストなどが影響を受けるとみている。

一方で品田教授は「最初は影響があるかもしれないが、長い目で見たときは影響が低下してくるだろう。米国や日本で新たな半導体工場が立ち上がってくるので、そちらで吸収される」と話す。

ニコンはロイターの取材に対し、光源にフッ化アルゴン(Arf)を使った「Arf液浸露光装置」が審査対象になりそうだと回答。現在2種類の装置を販売しているという。「引き続き決められたルールを順守し、その中で最大限の成果をあげられるように努力する」とした。

東京エレクトロンは「発表された規制内容について確認の上、適切に対応する」、SCREENは「内容を精査して経産省の指導を仰ぐ」、アドバンテストは「政府の方針に従って公正な取引を行っていく」とコメントした。

*日本政府が輸出管理対象に加える半導体製造装置(23品目)は以下の通り。

・洗浄装置3品目:不純物を除去する

・成膜装置11品目:ウェハー表面に薄膜を形成する

・熱処理装置1品目:結晶を回復したり薄膜を形成する

・露光装置4品目:回路パターンをウェハーに焼き付ける

・エッチング装置3品目:ウェハー表面を削って回路パターンを形成する

・検査装置1品目:完成した集積回路を検査する

ロイター
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