ニュース速報

ビジネス

米政権、中堅銀行規制の強化策提示 議会承認なく実施可能

2023年03月31日(金)07時58分

バイデン政権は、議会承認不要で実施可能な中堅銀行に対する規制強化策を提示した。3月13日、サンタクララで撮影(2023年 ロイター/Brittany Hosea-Small/File Photo)

[ワシントン 30日 ロイター] - バイデン政権は30日、中堅銀行に対する規制強化策を金融規制当局に提示し、議会の承認を得ずに実行可能だと説明した。

資産規模で1000億─2500億ドルの中堅銀行について、流動資産の一段の確保や資本金の増額、定期的なストレステスト実施のほか、破綻した場合の整理方法を詳述した清算計画(リビング・ウィル)の準備を提案した。

ホワイトハウス高官は「これらは全て現行法の下で実行可能な措置であり、議会の承認を得る必要はない」と述べた。

米では、シリコンバレー銀行(SVB)など中堅銀行の破綻を受け、2018年のトランプ前政権下で実現した金融規制改革法(ドッド・フランク法)の改正が批判の的になっている。この改正では、より厳しい監視の対象となる金融機関の条件が総資産500億ドル以上から2500億ドル以上に緩和された。SVBの昨年末の資産規模は2090億ドルだった。

米連邦準備理事会(FRB)や他の銀行規制当局は、特に資産1000億─2500億ドルの金融機関に対する規制強化をすでに検討していることを示唆している。

バイデン政権の規制強化案に対し、銀行業界からはコスト高につながるとして即座に批判の声が上がった。

一方、エリザベス・ウォーレン上院議員は規制強化案を支持。銀行経営陣はトランプ氏による法改正以降、利益を増やすためにリスクを拡大させてきたと批判した。

ウォーレン氏ら複数の民主党議員は、トランプ政権時代の法改正を完全に撤回するよう求めている。ただ、共和党が下院を支配するねじれ議会で実現の可能性は低いとアナリストらはみている。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

焦点:トルコのエルドアン大統領、ガザ停戦合意仲介で

ワールド

米政権、貿易相手国の薬価設定巡り新たな調査計画 F

ワールド

中国、「台湾光復」記念行事開催へ 台湾は反発

ワールド

ロシアがキーウに夜間爆撃、2人死亡 冬控えエネ施設
MAGAZINE
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
2025年10月28日号(10/21発売)

高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    TWICEがデビュー10周年 新作で再認識する揺るぎない…
  • 5
    米軍、B-1B爆撃機4機を日本に展開──中国・ロシア・北…
  • 6
    【クイズ】12名が死亡...世界で「最も死者数が多い」…
  • 7
    「認知のゆがみ」とは何なのか...あなたはどのタイプ…
  • 8
    汚物をまき散らすトランプに『トップガン』のミュー…
  • 9
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシ…
  • 10
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 5
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 6
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 7
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 8
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 9
    「心の知能指数(EQ)」とは何か...「EQが高い人」に…
  • 10
    TWICEがデビュー10周年 新作で再認識する揺るぎない…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中