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ソフトバンクG、10─12月期の最終赤字7834億円 投資損失続く

2023年02月07日(火)19時00分

 2月7日 ソフトバンクグループ(SBG)が7日に発表した2022年10─12月期連結決算(国際会計基準)は、最終損益が7834億円の赤字だった。写真はソフトバンクグループのロゴ。2017年7月、都内で撮影(2023年 ロイター/Issei Kato)

[東京 7日 ロイター] - ソフトバンクグループ(SBG)が7日に発表した2022年10─12月期連結決算(国際会計基準)は、投資損失が響き、最終損益が7834億円の赤字となった。3兆0336億円の黒字だった7─9月期から、2四半期ぶりに赤字転落した。

会見した後藤芳光・最高財務責任者(CFO)は「市場の環境は非常に不安定な状況が続いている」と指摘し、「投資会社として守りを固める」との姿勢を改めて強調した。

世界的な株式相場の調整から投資先の価値が減少し、ビジョン・ファンドの投資損失は7303億円(前四半期は1兆3784億円の損失)となった。同ファンドの投資損失は4期連続で、4―12月期に計上した損失額は5兆円を超えた。

22年12月末時点の手元流動性は3.8兆円を確保するなど、財務の安全性は高いとした。同期間でのビジョン・ファンドの新規投資はわずか3億ドルにとどまった。前四半期比でNAV(時価純資産)は2.8兆円減少したが、円高進行の影響が大きかった。

投資の面で攻めに転じるには、株式市場の回復と合わせて、ビジョン・ファンドが投資の中心に据える未公開株市場での資金調達やIPOの動向を注視する必要があるという。SBGは、今後1―2年の市場回復で上場に期待できる投資企業の価値が370億ドル超あると試算している。

英半導体設計大手アームについては、9カ月累計の調整後EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)が前年同期比で20%超伸びた。「23年度中の上場を視野」(後藤CFO)に入れて準備を進めている。アームIR担当のイアン・ソーントン氏は、米ナスダックだけでなく、ニューヨークやロンドン市場も選択肢にある、と述べた。

同社は通期業績予想を開示してない。IBESがまとめたアナリスト14人による通期純利益の予想平均値は4854億円。

今回の決算会見から孫正義会長兼社長は出席せず、後藤CFOが担当した。

(浦中美穂)

ロイター
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