ニュース速報

ビジネス

英中銀、市場安定へ長期国債を一時買い入れ 来週からの売却延期

2022年09月28日(水)23時14分

イングランド銀行(英中央銀行)は28日、市場の安定化に向け、長期国債の一時買い入れを開始すると発表した。8月撮影。(2022年 ロイター/Maja Smiejkowska/File Photo)

[ロンドン 28日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)は28日、市場の安定化に向け、長期国債の一時買い入れを開始すると発表した。予定していた国債の売却は延期する。

「9月28日から英長期国債の一時的な買い入れを実施する。市場の秩序を回復することが買い入れの狙いになる」との声明を発表した。

保有する英国債8380億ポンド(8920億ドル)を今後1年で800億ポンド減らす目標は維持するが、市場の状況を踏まえ、売却開始を延期する。売却は来週開始する予定だった。

トラス新政権が先週、大型減税を柱とする財政政策を発表したのを受け、財政悪化懸念からポンドや英国債への売りが加速。この日、英30年債利回りは2002年以来となる5%台に乗せた。

英中銀は「市場の機能不全が継続ないし悪化すれば国内の金融安定に甚大なリスクが生じる。資金調達環境の正当化できない逼迫と実体経済への信用供与減少につながる」と指摘。介入する以外に選択肢はなかったと述べた。

市場が安定化すれば、購入した国債を売り戻す方針で、損失が生じた場合は財務省が補償することに同意していると説明した。財務省もこの点を確認した。

「この買い入れは厳格な時限措置で、長期国債市場の問題に対応することを企図している」とした。

介入の規模にはあらかじめ制限を設けない。「これらの買い入れの目的は秩序ある市場環境を回復することだ。この結果をもたらすために必要であれば、いかなる規模でも実施される」とした。

市場はすぐに反応した。30年国債の利回りは約50ベーシスポイント(bp)低下し、27日の価格下落幅を取り戻した。ただそれでも先週末の水準は依然として大きく上回っている。

メディオラヌム・アセット・マネジメントの債券戦略責任者、チャールズ・ディベル氏は「(中銀は)短期的に市場を下支えした。しかし、景気刺激型の財政政策に変わりはなく、この状況は長くは続かないかも知れない」と述べた。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、ハーバード大に10億ドル損賠求める投稿

ビジネス

米印貿易合意でインド市場急伸、株式・ルピーが大幅高

ビジネス

川崎汽船、通期の純利益予想を上方修正 市場予想上回

ビジネス

日経平均は急反発、史上最高値を更新 好材料重なり安
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗り物から「勝手に退出」する客の映像にSNS批判殺到
  • 2
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れるアメリカ」に向き合う「日本の戦略」とは?
  • 3
    トランプ不信から中国に接近した欧州外交の誤算
  • 4
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から…
  • 5
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 6
    中国政府に転んだ「反逆のアーティスト」艾未未の正体
  • 7
    関節が弱ると人生も鈍る...健康長寿は「自重筋トレ」…
  • 8
    エプスタイン文書追加公開...ラトニック商務長官、ケ…
  • 9
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 10
    共和党の牙城が崩れた? テキサス州で民主党が数十…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 3
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「副産物」で建設業界のあの問題を解決
  • 4
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から…
  • 5
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 6
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 7
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 8
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 9
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 10
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中