ニュース速報

ビジネス

トヨタがロシア生産撤退、侵攻長期化で部品調達難 日本車大手で初

2022年09月24日(土)03時38分

ロシア産業貿易省は、トヨタ自動車がロシア工場の閉鎖を決定したと発表した。(2022年 ロイター/Maxim Shemetov)

[東京/モスクワ 23日 ロイター] - トヨタ自動車は23日、ロシアのサンクトペテルブルク工場での生産事業を終了すると発表した。日本の自動車メーカーでロシアからの生産撤退方針を明らかにしたのは初めて。生産終了に伴い、現地での新車販売も打ち切る。

ロシアによるウクライナ侵攻後、部品調達が難しくなり、トヨタは3月4日に同工場の稼働を停止していた。侵攻の長期化で生産再開が見通せないため、現状のままでは従業員にも十分な支援ができなくなると判断した。

従業員には退職金の上乗せ支給や再就職支援を実施する。従業員数は同工場とモスクワ販売拠点の500人を含む計2350人。工場停止以降も従業員には給料を支払い続けてきた。トヨタとともにロシアに進出していた日系部品メーカーや、現地の取引先に対しても支援する方針。現地で新車販売は行わないが、車の保有者にはロシア国内で部品が入手できるアフターサービス事業を続ける。

長田准執行役員は同日、オンラインで取材に応じ、現地法人は譲渡や売却をせずに清算すると説明した。このタイミングで生産終了を決めた背景については「キャッシュがなくなってからでは従業員に退職の支援ができなくなる」とし、「現地通貨のルーブルがまだある今のタイミングで手厚く報いたい」と述べた。ロシアの予備役動員に伴う影響は「全くない」と否定した。

トヨタは2007年からロシアでの生産を開始。サンクトペテルブルク工場ではロシア国内向けにスポーツ多目的車(SUV)「RAV4」とセダン「カムリ」を手掛け、年間生産能力は10万台。21年には約8万台を生産した。長田氏は、RAV4やカムリの購入者は高所得者が多く、「収益貢献としては台数以上に高い事業だった」と述べた。

ロシア産業貿易省も同日、トヨタが同国内の工場閉鎖を決定したと発表した。ディーラー網は維持するとしている。また、同省および地方当局が工場のある場所の開発に向けた検討を進めていると説明した。

日本の自動車メーカーではマツダや三菱自動車が現地での生産を休止。日産自動車は9月末までとしていたサンクトペテルブルク工場の稼働停止を12月末まで延長することを決めているが、撤退の判断については明らかにしていない。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

スペースXがIPOの詳細説明、6月上旬にロードショ

ワールド

アングル:不明兵救出劇をことさら強調 トランプ氏、

ワールド

イラン、米の停戦案拒否 トランプ氏「一夜で国全体壊

ワールド

ガザ学校近くで空爆、死者10人超 パレスチナ人避難
MAGAZINE
特集:トランプの大誤算
特集:トランプの大誤算
2026年4月14日号(4/ 7発売)

国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐせ・ワースト1
  • 3
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙の2大テーマでAI懸念を払拭できるか
  • 4
    地面にくねくねと伸びる「奇妙な筋」の正体は? 飛行…
  • 5
    トランプ、イランに合意期限「米東部時間6日午前10時…
  • 6
    「高市しぐさ」の問題は「媚び」だけか?...異形の「…
  • 7
    人口減の自治体を救う「小さな浄水場」──誰もが常に…
  • 8
    米軍が兵器を太平洋から中東に大移動、対中抑止に空白
  • 9
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始め…
  • 10
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 3
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始めた限界
  • 4
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐ…
  • 5
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 6
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 7
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙…
  • 8
    中国がイラン戦争最大の被害者? 習近平の誤った経…
  • 9
    「高市しぐさ」の問題は「媚び」だけか?...異形の「…
  • 10
    年金は何歳からもらうのが得? 男女で違う「最適な受…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの…
  • 5
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 6
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 7
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 10
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中