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ロシア産石油の価格上限、報復なら原油380ドルも=JPモルガン

2022年07月04日(月)19時43分

JPモルガンは1日付のリポートで主要7カ国(G7)が検討しているロシア産石油の価格上限設定について、ロシアが報復措置として石油生産を日量500万バレル削減する「最も極端なシナリオ」では北海ブレントが1バレル=380ドルに急騰する可能性があるとの見方を示した。米オクラホマ州の原油貯蔵タンク、2016年撮影。(2022年 ロイター/Nick Oxford/File Photo)

[4日 ロイター] - JPモルガンは1日付のリポートで主要7カ国(G7)が検討しているロシア産石油の価格上限設定について、ロシアが報復措置として石油生産を日量500万バレル削減する「最も極端なシナリオ」では北海ブレントが1バレル=380ドルに急騰する可能性があるとの見方を示した。

G7首脳会議は、ウクライナに侵攻しているロシアの戦争資金を断つため、一定価格以上で売却されたロシア産石油の輸送禁止を検討することで合意した。

同社は「価格上限を1バレル=50─60ドルに設定すれば、ロシアの石油収入を減らす一方で引き続き石油の流通を確保するというG7の目的に適うだろう」と指摘。

「最も明白で可能性の高いリスク」は、ロシアが協力せず、報復措置として石油の輸出を減らすことだと指摘。ロシアは「経済的利益を過度に損なわずに」最大日量500万バレルまで減産できるとの見方を示した。

「石油市場のストレスの高さを考えると、日量300万バレルの減産で北海ブレントが1バレル=190ドルに高騰する可能性がある。最悪のシナリオである日量500万バレルの減産では原油価格が380ドルに跳ね上がる可能性がある」と述べた。

中国とインドが価格上限でG7と協力しないシナリオや、ロシアが輸出ルートを西から東に完全に変更するシナリオでは、価格決定力が低下するという。

ロイター
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