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ドルが対円以外で下落、米税制改革の効果織り込み済み=NY市場

2017年12月21日(木)07時16分

 12月20日、ニューヨーク外為市場は、ドルが円とスイスフランを除く主要通貨に対して下落した。6月撮影(2017年 ロイター/Thomas White)

[ニューヨーク 20日 ロイター] - 20日のニューヨーク外為市場は、ドルが円とスイスフランを除く主要通貨に対して下落した。米税制改革法案成立で見込まれるドルへのプラス効果は、織り込み済みで今後の上昇余地は限られると受け止められた。

終盤の主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は0・1%安、ユーロ/ドルは0.3%高の1.1879ドルとなった。ドルはポンド、カナダドル、ニュージーランドドルに対しても値下がりした。

TDセキュリティーズは「1986年以来という大幅な税制改革が実現されようとしているのに、ドルと外為市場は総じて反応が鈍い。こうした状況から、市場は税制改革法案成立をほぼ相場に織り込んだということが分かる」と説明した。

一部のアナリストは、税制改革が米経済にどれほど好影響を及ぼすかも疑わしいとみている。コモンウェルスFXのチーフ市場アナリスト、オマー・エシナー氏は、財政面の刺激が強まって物価を押し上げ、米連邦準備理事会(FRB)がより急速に利上げする余地が出てくるという点でドルを支えるものの、財政赤字も増え、企業に採用増を促すインセンティブも乏しいと指摘。「景気循環における今の局面で経済にどれだけ大きな勢いを与えるかまだ分からない」と話した。

ドル/円は直近が0.5%高の113.39円で、一時は1週間ぶりの高値を付けた。ただ21日までの日銀の金融政策決定会合結果を見極めようとのムードが強く、ドルの上値は重かった。

アナリストによると、ユーロ高はドイツ国債利回りの上昇や投資家による年末のポートフォリオ調整がもたらした面もあった。

INTL FCストーンのグローバル・マクロストラテジスト、ビンセント・デルアード氏は、ユーロ/ドルが来年1.30ドルまで上昇する可能性があると予想。欧州中央銀行(ECB)の量的緩和を通じてユーロ圏の銀行に渡った資金はこれまで米国債に投資されてきたが、資金フローの正常化に伴ってユーロが大きく値上がりするはずだと主張している。

ドル/円 NY終値 113.38/113.41

始値 113.15

高値 113.46

安値 113.12

ユーロ/ドル NY終値 1.1869/1.1873

始値 1.1836

高値 1.1901

安値 1.1834

(表はロイターデータに基づいています)

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