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所得税改革「今後も継続」 与党税制大綱、原案が判明

2017年12月13日(水)20時17分

 12月13日、2018年度与党税制改正大綱の原案が判明した。写真は都内で2012年11月撮影(2017年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 13日 ロイター] - 2018年度与党税制改正大綱の原案が判明した。会社員や年金受給者の控除を縮小する所得税改革に加え、賃上げや設備投資を条件に企業の税負担を軽減する改正案を盛り込み、デフレ脱却に道筋をつけたい考え。

14日の与党税制協議会で正式決定する。

原案は、1)個人所得課税の見直し、2)デフレ脱却・経済再生、3)地方税財政基盤の構築、4)森林吸収源対策にかかる地方財源確保、5)経済活動の国際化への対応、6)納税環境の整備、7)たばこ増税――が柱。

所得税改革では、働き方改革の実現に向けて「給与所得控除や公的年金控除から、どのような所得にでも適用される基礎控除に、負担調整の比重を移していくことが必要」との認識を示す。

その上で、18年度税制改正で「給与収入が850万円を超える場合の給与所得控除額を195万円に引き下げる」と明記。所得再配分機能の回復や税負担のあり方の観点から、「今後も、引き続き見直しを継続する」ことも併せて記した。

賃上げや設備投資に積極的な企業への税負担軽減も明記した。3%超の賃上げや国内への設備投資に積極的な大企業には、実質的な税負担が20%程度になるよう、新たな措置を講じる。

一方、中小企業の設備投資支援に向け、固定資産税を2分の1からゼロまで軽減する3年間の時限的な特例措置も導入する方針だ。

大綱には、観光促進に向けた「国際観光旅客税」や森林保護を目的とした「森林環境税」「森林環境譲与税」の創設や、たばこ税の段階的な引き上げも盛り込んだ。

*内容を追加します。

(山口貴也)

ロイター
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