ニュース速報

ビジネス

外貨建て事業債投資を拡大、米社債中心=下期・住友生命運用計画

2017年10月24日(火)20時03分

 10月24日、住友生命保険は、2017年度下期の資産運用計画で、国内債券の代替投資として引き続き為替ヘッジ付き外国債券への投資を進める方針を示した。写真はロゴ、都内で2009年7月撮影(2017年 ロイター)

[東京 24日 ロイター] - 住友生命保険は24日、2017年度下期の資産運用計画で、国内債券の代替投資として引き続き為替ヘッジ付き外国債券への投資を進める方針を示した。米社債を中心に外貨建て事業債投資の拡大が軸になる。ドル安が進む局面では、為替リスクをとるオープン外債投資も検討する。

同社は円金利の低い環境下で、国内債券の代替投資として為替ヘッジ付き外国債券への投資を進めている。ただ、ヘッジコストが高止まっているため、米国債やドイツ国債への投資は為替ヘッジをするとほとんどリターンが出ないとして「海外クレジット資産に多様化を進めることが必須」と、同社の上席執行役員兼運用企画部長の松本巌氏は強調した。

子会社化した米国の中堅生保シメトラ・ファイナンシャルによる銘柄選別の目利き力を生かし、米国社債を中心に外貨建て事業債への投資拡大を軸にする。このほか、バンクローンファンドやローン担保証券(CLO)などへの投資、航空機ファイナンスローンやプロジェクトファイナンス融資に取り組む。松本氏は「CLOはヘッジしても1%─1%半ばのリターンが出てくる」と説明した。

新たな運用手段として、マルチアセットファンドやプライベート・エクイティ・ファンドの段階的な導入も進める考えだ。

上期の簿価増加額は1兆0400億円。下期は「1兆円よりは小さい」(松本氏)見通しだという。上期の簿価増加額のうち、国内公社債は入れ替えが中心で、純増は900億円だったのに対し、外国公社債が6400億円、外国株式などが500億円、それぞれ増えた。これら外国証券投資の6割がドル資産で、ユーロ資産は2割、豪ドルやニュージーランドドルの資産が2割だという。

米長期金利の先行きについて、同社は米連邦準備理事会(FRB)の保有資産縮小や利上げを背景に、18年3月末に向けて2.50%へと緩やかな上昇を見込んでいる。ドル/円も115円に上昇する予想だ。「(ドル/円が)110円にかけて押し目があれば、オープン外債投資も検討する」(松本氏)としている。

国内の物価上昇は緩やかにとどまり、日銀の目標とする2%の水準は年度内には見込めないとして、日銀の緩和政策維持による国内債券の低金利継続を予想。超長期債への投資は引き続き抑制し、クレジット資産への投資を拡大する考えを示した。

(平田紀之)

ロイター
Copyright (C) 2017 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米・イランが間接協議、域内情勢のエスカレーション回

ワールド

ベトナム共産党、国家主席にラム公安相指名 国会議長

ワールド

サウジ皇太子と米大統領補佐官、二国間協定やガザ問題

ワールド

ジョージア「スパイ法案」、大統領が拒否権発動
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバいのか!?

  • 3

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイジェリアの少年」...経験した偏見と苦難、そして現在の夢

  • 4

    「まるでロイヤルツアー」...メーガン妃とヘンリー王…

  • 5

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の…

  • 6

    時速160キロで走行...制御失ったテスラが宙を舞い、4…

  • 7

    日本とはどこが違う? 韓国ドラマのオリジナルサウン…

  • 8

    チャールズ英国王、自身の「不気味」な肖像画を見た…

  • 9

    「裸に安全ピンだけ」の衝撃...マイリー・サイラスの…

  • 10

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 6

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 7

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 8

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 9

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 10

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中