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可能な金融政策は実施、失業に財政措置など必要=米地区連銀総裁
9月29日、米フィラデルフィア地区連銀のハーカー総裁は、金融政策でやるべきことは遂行したとし、失業問題などへの対応には財政措置などが必要との見解を示した。写真はワシントンのFRB本部。2012年4月撮影(2016年 ロイター/Joshua Roberts)
[ダブリン 29日 ロイター] - 米フィラデルフィア地区連銀のハーカー総裁は、金融政策でやるべきことは遂行したとし、失業問題などへの対応には財政措置などが必要との見解を示した。
同総裁はダブリンでの講演原稿で、自由貿易体制による恩恵は損害をはるかに上回っているとし、世界的な貧困問題の軽減に寄与する一因になっていると述べた。
ただ、雇用喪失や賃金削減という悪影響を受けた人にとっては悲惨な状況になり得るとし、これに対応するのは中央銀行ではなく政府や議会の役割との見解を示した。
同総裁は金融政策スタンスや経済見通しには触れず、「米国経済は金融政策で可能なことはやり切ったところに到達した。誰もが知っているように、金融政策の及ぶ範囲と手段は限られている」と指摘。「製造業の失業問題に対処するには、財政や法的措置が必要だ」と述べた。
米大統領選挙で貿易協定が争点になっていることを背景に、通商問題について発言した。
総裁は、貿易により入手可能なものが増え、物価も下がり、技術の発展や経済成長、所得を押し上げるが、同時に米国での非熟練労働者の雇用喪失にもつながっていると指摘。
雇用保険や職業トレーニングなどの政策が、職を失った労働者の適応を促すとし、自由貿易から誰もが利益を受ける方策を見いだす必要があると述べた。