ニュース速報

ビジネス

日経平均624円安、日銀追加緩和見送りで後場崩れる

2016年04月28日(木)15時36分

 4月28日、東京株式市場で日経平均は4日続落。前日比624円の大幅安となった。写真は都内で18日撮影(2016年 ロイター/Toru Hanai )

[東京 28日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は4日続落。前日比624円の大幅安となった。終値は1万7000円を下回り、4月18日以来の安値水準を付けている。米ダウ<.DJI>の上昇などを支えに序盤は買いが先行したものの、日銀が金融政策の現状維持を発表。追加緩和の期待がはく落し後場は下げに転じた。

日経平均の1日の値幅(高値と安値の差)は919円53銭と今年最大。昨年9月9日(1013円75銭)以来の大きさとなった。

前場には日経平均が前日比で一時200円超高となり、取引時間中としては3営業日ぶりに1万7500円台を回復する場面があった。だが日銀が金融政策の現状維持を決定するとムードは一変。事前の期待感が高まっていただけに、失望売りが強まった。1ドル=108円台までドル安/円高が進行したことで、企業業績への警戒感も改めて強まった。

業種別では、追加緩和の思惑で買われてきた金融セクターの下げがきつい。証券業<.ISECU.T>の7.9%安が下落率でトップ。銀行業<.IBNKS.T>の6.3%安が続いた。

一方、日経平均ボラティリティ指数<.JNIV>は一時26ポイント台を付け、約2週間ぶりの低水準まで下落した。「オプションで短期筋とみられる売りによりコールが急落し、ボラティリティ指数の低下につながっている」(国内証券トレーダー)という。東証1部の売買代金は3兆円を超え、2月12日以来の高水準となった。

SMBC日興証券・株式ストラテジストの圷正嗣氏は「長い目でみれば現状維持は悪くはない。今回、緩和策を打ち出したとしても、これまでのような効果が得られなかった可能性もあった」と指摘。「直近の株価の動きは、緩和に対する思惑もあったが、原油高に象徴されるリスクオンも背景にあった。緩和が見送られただけでドルが110円を割れ、日経平均が1万7000円を割れるというのは、少し行き過ぎではないかと思う」と話している。

個別銘柄ではファナック<6954.T>が大幅安。27日に発表した2017年3月期連結業績予想は2期連続の減収減益の見通しとなり、嫌気された。半面、富士電機<6504.T>が急伸。27日に発表した17年3月期業績予想は4.4%増の営業増益見通しとなり、好感された。

東証1部騰落数は、値上がり228銘柄に対し、値下がりが1681銘柄、変わらずが41銘柄だった。

日経平均<.N225>

終値      16666.05 -624.44

寄り付き    17438.99

安値/高値   16652.74─17572.27

TOPIX<.TOPX>

終値       1340.55 -43.75

寄り付き     1396.65

安値/高値    1339.28─1404.78

東証出来高(万株) 315932

東証売買代金(億円) 31868.92

(長田善行)

ロイター
Copyright (C) 2016 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ネクスペリア中国部門「在庫十分」、親会社のウエハー

ワールド

トランプ氏、ナイジェリアでの軍事行動を警告 キリス

ワールド

シリア暫定大統領、ワシントンを訪問へ=米特使

ビジネス

伝統的に好調な11月入り、130社が決算発表へ=今
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「今年注目の旅行先」、1位は米ビッグスカイ
  • 3
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った「意外な姿」に大きな注目、なぜこんな格好を?
  • 4
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 5
    筋肉はなぜ「伸ばしながら鍛える」のか?...「関節ト…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 9
    米沿岸に頻出する「海中UFO」──物理法則で説明がつか…
  • 10
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 6
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 10
    庭掃除の直後の「信じられない光景」に、家主は大シ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中