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ドル108円後半、日銀の金融緩和「ゼロ回答」で3円幅の急落
4月28日、午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、大幅にドル安/円高の108円後半。写真は都内で20日撮影(2016年 ロイター/Toru Hanai )
[東京 28日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、大幅にドル安/円高の108円後半。日銀が金融政策決定会合で政策の現状維持を決定したことを受け、ドル/円とユーロ/円は共に3円幅で急落。その後は、若干反発したが、東京市場が休場となる明日にかけて、引き続きドルの下値リスクが警戒されている。
午前の取引で、ドルは111円台後半で強含み。日銀の追加緩和の思惑から海外ファンド勢を中心にドル買い/円売りが広がっていた。
しかし、正午過ぎに、日銀が金融政策の現状維持を発表すると、パニック的なドル売りが集中。ドルは3分間で111.70円付近から108.75円付近まで急落した。
その後は、若干調整的な買い戻しが流入し、109円前半まで戻したが、売り圧力は収束せず、午後3時過ぎには108.65円付近まで弱含んだ。
市場からは「今回カードを切ってしまうと、この先やれることがなくなって日銀は相当苦しくなる。現状維持で111円台から2、3円落ちるかもしれないが、106─107円台まで落ちることはないと踏んだのだろう」(国内金融機関)との声が出ていた。
ただ、この日も朝方から海外ファンドが日本株とドル/円を買い上げており、こうしたファンドではドルの急落により大きな損失を被ったという。
「追加緩和で盛り上がっていたファンド勢は、決定会合直後のドル急落で即死」(外銀)だとされ、「証券会社などからもブーイングが聞こえてくる」(同)という。
きょうのドル安/円高の背景には、日銀が広く期待されていた追加緩和を実施しなかったことに加え、27日の米連邦公開市場委員会(FOMC)終了後に公表した声明に「6月の利上げを市場に織り込ませるような内容が盛り込まれなかった」(国内エコノミスト)こともあるという。
FOMC声明を受けて市場では「6月ばかりではなく、年末に向けても利上げはできないかもしれないと考え始めている」(同)との声が聞かれ、ドル買いの意欲を削いでいる、という。
また「今晩と東京市場が休場の明日にドルの下値不安が残りそうだ」と三井住友銀行チーフストラテジストの宇野大介氏は予想する。
今後は、中国経済のバブル崩壊とその後のソフトランディングの実現可能性に再び関心が向けられるだろう。中国経済の状況次第では、現在は底入れしたかにみえる原油価格も、反落の余地がある、と同氏はみている。
ドル/円
午後3時現在 108.96/98 1.1333/37 123.49/53
午前9時現在 111.52/54 1.1325/29 126.31/35
NY午後5時 111.46/48 1.1321/26 126.19/23
(森佳子)





