ニュース速報

ビジネス

HSBC、本社の「英国残留」決定 香港移転なし

2016年02月15日(月)11時11分

2月15日、英金融大手HSBCホールディングスは、グループの本拠に関する見直し作業の結果、引き続き英国を本拠とすることを決定した。ロンドンで2010年8月撮影(2016年 ロイター/Toby Melville)

[ロンドン 14日 ロイター] - 英金融大手HSBCホールディングス<0005.HK>は14日、グループの本拠地に関する見直し作業の結果、引き続き英国に本社を置くことを決めたと発表した。声明によると、決定は全会一致だった。

HSBCの本社見直しをめぐっては、香港に移転するのではないかとの観測が出ていた。

英国にとっては、金融危機後の規制強化、コスト上昇が国際金融センターとしての地位を揺るがしかねない課題となっていただけに、HSBCの残留決定は「世界の金融の中心ロンドン」の維持に大きく寄与する。

HSBCは「ロンドンは世界でも有数の国際金融センターの1つであり、スキルの高い国際的な人材が豊富だ」とし、「当社のような世界的な金融機関の本社所在地として理想的との結論に達した」と説明した。

中国市場の動揺や、中国が香港への影響力を強めていることを背景に、市場では最近、HSBCは引き続き本社を英国に置くとの見方が強まっており、関係者らは決定を「ノーサプライズ」と受け止めている。

HSBCは、中国・珠江デルタ地帯や東南アジアへの投資増加など、アジア強化戦略に変更はないとしており、ガリバー最高経営責任者(CEO)は声明で「英国に本社を置き、アジア太平洋を事業の中心とすることは、両地域の利点を株主にもたらすことができる」と述べた。

<香港「決定を尊重」>

一方、香港金融管理局は、HSBCの決定を尊重すると発表した。

ノーマン・チャン長官は「HSBCのような大規模な国際的銀行にとって、本社移転は非常に大掛かりで、複雑な手続きになる」と理解を示した上で、「香港はアジアの主要な銀行・金融ハブであり、世界のシステム上重要な銀行30行のうち、29行が進出している」と強調した。

*内容を追加します。

ロイター
Copyright (C) 2016 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国万科、債権者が社債償還延期を拒否 「解決策模索

ビジネス

日銀短観、大企業・製造業DIは4年ぶり高水準 米関

ワールド

ベネズエラ同盟国がマドゥロ氏支持表明、米の石油タン

ワールド

ノーベル委、平和賞受賞のモハンマディ氏逮捕を非難 
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
  • 2
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジアの宝石」の終焉
  • 3
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 4
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 5
    極限の筋力をつくる2つの技術とは?...真の力は「前…
  • 6
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 7
    トランプが日中の「喧嘩」に口を挟まないもっともな…
  • 8
    大成功の東京デフリンピックが、日本人をこう変えた
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 3
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 6
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 9
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 10
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中