[東京 9日 ロイター] - 日銀が9日公表した金融市場調節の対象先や短期金融市場の主要な参加者を対象にしたアンケート調査によると、日銀当座預金の超過準備に対する現行0.1%の付利金利を目安とした裁定取引や、外貨から円に転換する円転需要などを背景に、短期市場での資金調達が拡大している。
今年7月末の資金調達残高は240兆円となり、2008年の調査開始以来最高となった。
同アンケート調査は市場動向の把握を目的に2008年から実施されているもので、今回が6回目。従来通り7月末を基準時点として行われ、対象となる298先すべてから回答を得た。
短期市場における資金調達残高は240兆円となり、前年の222兆円から増加した。
日銀によると、付利金利との裁定取引を狙いとしたコール市場やレポ市場での資金調達や、円転取引が拡大している。このうち、円転は前年の18兆円から24兆円に拡大。増加の背景には、ドル金利の上昇観測や国内投資家の外貨調達ニーズ、金融規制の強化によるドル保有主体の運用抑制姿勢により、円転コストが低下していることがある、という。
資金運用残高は前年の209兆円から215兆円に増加。付利の適用先が残高を減少させる一方、投資信託を中心に非適用先が残高を拡大させており、プレゼンスを高めている。
日銀によると、株価上昇を受けて増加した余剰資金を投信などが短期市場で運用したほか、海外貸付や外貨資産投資を目的に円投取引が増加したことが背景。また、マイナス金利も発生している国庫短期証券の利回り低下で、運用利回りの確保を狙いにコール市場での運用を増加させる動きもみられている、という。
短期市場の機能度については、66%の先が前年から「おおむね変わらない」と回答。「低下した」との回答は26%だった。
(伊藤純夫)