ニュース速報

ビジネス

ドルが対ユーロで反落、米雇用統計後の利食い売りで=NY市場

2015年03月10日(火)07時16分

 3月9日、ニューヨーク外為市場では、ドルが対ユーロで約11年半ぶりの高値から下落した。2014年11月撮影(2015年 ロイター/Gary Cameron)

[ニューヨーク 9日 ロイター] - 9日のニューヨーク外為市場では、ドルが対ユーロで約11年半ぶりの高値から下落した。先週6日に発表された強い米雇用統計でドルは主要通貨に対して上昇したが、この日は利益確定売りに押され反落して取引を終えた。

ユーロ/ドルはアジアの取引時間帯に1.0822ドルをつけ2003年9月以来の安値を更新したが、その後持ち直し終盤は0.07%高の1.0854ドルで取引されている。次に下落した場合、1.0762ドルが重要なサポート水準として指摘されている。

テンパス(ワシントン)の市場責任者のジョン・ドイル氏は「ドルは先週の好調な雇用統計発表後、上昇一服局面にあるようだ。1.0760ドル以下の水準に進むには何か新しいニュースが必要だが、それが何かだとすぐわかるには今週予定されている経済指標では材料不足だ」との見方を示した。

この日欧州中銀(ECB)が国債購入を開始するなか、ユーロへの売り圧力は継続するとの見通しは変わっていない。またユーログループ財務相会合のデイセルブルム議長(オランダ財務相)が、ギリシャの構造改革がカギだと述べるなど、ギリシャ問題にあらためて焦点が当たった。

ドルが弱含む中、円はさらに弱く、ドル/円は終盤0.31%高の121.22円での取引となっている。

その他通貨ではカナダドルが上昇。2月のカナダ住宅着工件数が2009年2月以来の低水準となったものの、ドル/カナダドルは終盤0.21%安の1.2593カナダドルとなっている。

BMOキャピタル・マーケッツ(ニューヨーク)で外為戦略部門の世界責任者を務めるグレッグ・アンダーソン氏は「今朝のカナダの指標はひどかったが、カナダドルへの影響は軽微だったようだ。米ドルは先週の大きな上昇後、少し調整している状況だ」とし、「市場は先週末強い米雇用統計の強さをあらためて認識したが、それで米連邦準備理事会(FRB)が6月に利上げを開始し、3月にも声明で『忍耐強く』の文言を外すことにはならない」との見通しを示した。

ドル/円    終値   121.14/16

始値   120.95/96

前営業日終値   120.79/80

ユーロ/ドル  終値   1.0852/53

始値   1.0863/64

前営業日終値   1.0843/46

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2015 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

再送トランプ氏、中国の関税合意違反を非難 厳しい措

ビジネス

FRB金利据え置き継続の公算、PCEが消費の慎重姿

ワールド

米、対ロ制裁法案審議へ ロシアの和平交渉遅延を非難

ワールド

トランプ氏「ガザ停戦合意に近づいている」、イラン核
MAGAZINE
特集:岐路に立つアメリカ経済
特集:岐路に立つアメリカ経済
2025年6月 3日号(5/27発売)

関税で「メイド・イン・アメリカ」復活を図るトランプ。アメリカの製造業と投資、雇用はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プーチンに、米共和党幹部やMAGA派にも対ロ強硬論が台頭
  • 3
    イーロン・マスクがトランプ政権を離脱...「正直に言ってがっかりした」
  • 4
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が…
  • 5
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 6
    【クイズ】生活に欠かせない「アルミニウム」...世界…
  • 7
    「これは拷問」「クマ用の回転寿司」...ローラーコー…
  • 8
    ワニにかまれた直後、警官に射殺された男性...現場と…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多…
  • 10
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」時代の厳しすぎる現実
  • 3
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多い国はどこ?
  • 4
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 5
    アメリカよりもヨーロッパ...「氷の島」グリーンラン…
  • 6
    デンゼル・ワシントンを激怒させたカメラマンの「非…
  • 7
    「ディズニーパーク内に住みたい」の夢が叶う?...「…
  • 8
    友達と疎遠になったあなたへ...見直したい「大人の友…
  • 9
    ヘビがネコに襲い掛かり「嚙みついた瞬間」を撮影...…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 5
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 6
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 7
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 8
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 9
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 10
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中