コラム

「1000万円持っている人が来て...」後藤達也と藤野英人が投資をはじめる人に伝えたいこと

2024年10月30日(水)16時03分
元日本経済新聞記者のフリージャーナリスト、後藤達也氏

元日本経済新聞記者のフリージャーナリスト、後藤達也氏(「お金のまなびば!」より)

<投資に興味を持つ人が増える一方、いつから始めるべきか思い悩んでいる人も多い──そんな中、『「日経平均10万円」時代が来る!』著者の藤野英人氏と元日本経済新聞記者の後藤達也氏は「少額からの挑戦」を勧めている>

総括するには少し気が早いが、2024年が日本の株式市場にとって歴史的な一年となったことは間違いない。

新NISA(少額投資非課税制度)の開始を幕開けに、2月22日には日経平均株価が35年ぶりに史上最高値を更新。3月、17年続いたマイナス金利政策にようやく終止符が打たれ、7月11日の日経平均終値は史上初の4万2000円台をつけた。

これらを機に投資に興味をもつ人が増えた一方、「今から始めても手遅れなのではないか」と心配する声も。これに対し、日本の資産運用会社レオス・キャピタルワークスの最高投資責任者である藤野英人氏は「タイミングを考えるより、少しずつ小さく始めたほうがいい」と助言する。

同社のYouTubeチャンネル「お金のまなびば!」の動画「経済ジャーナリストが投資をはじめる人に伝えたいこととは?【藤野英人×後藤達也】」では、元日本経済新聞記者の後藤達也氏と対談。

後藤氏は2022年からフリージャーナリストとして独立し、経済や投資になじみのない人でも理解しやすい経済情報を発信。著書『転換の時代を生き抜く投資の教科書』(日経BP)は、経済の入門書として好評を博している。

そんな後藤氏が投資未経験者へ伝えたいことも藤野氏と同じく、「まずは少額から始めてみること」。月1000円程度でも積み立てを続けることで、どのくらい損得があるのかなどが肌感覚で分かってくる。そこから色々な方法を模索するのがおすすめだという。

これには藤野氏も「日本人は極端な人が多い」と同意。「切羽詰まった顔で相談に来たかと思えば、『僕は1000万の貯金があるんですけど、全て投資したほうがいいですか』と聞かれる。100%投資する必要は全くない。10%でも15%でも、立派な投資家だ」と続ける。

最初から大きな額を投資することは「素振りもキャッチボールもしたことがないのにいきなり草野球の試合に出場するようなもの」と後藤氏。「それまで全く投資をしたことがない人が退職金を全額投資信託に回してしまうことはあまり好ましくない。時間をかけて練習することが大事だ」と話す。

プロフィール

藤野英人

レオス・キャピタルワークス 代表取締役会長兼社長、CIO(最高投資責任者)
1966年富山県生まれ。国内・外資大手資産運用会社でファンドマネージャーを歴任後、2003年にレオス・キャピタルワークスを創業。日本の成長企業に投資する株式投資信託「ひふみ投信」シリーズを運用。投資啓発活動にも注力しており、東京理科大学MOT上席特任教授、早稲田大学政治経済学部非常勤講師、日本取引所グループ(JPX)アカデミーフェロー、一般社団法人投資信託協会理事を務める。主な著書に『投資家みたいに生きろ』(ダイヤモンド社)、『投資家が「お金」よりも大切にしていること』(星海社新書)、『さらば、GG資本主義――投資家が日本の未来を信じている理由』(光文社新書)、『「日経平均10万円」時代が来る!』(日経BP 日本経済新聞出版)など。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=S&P・ナスダックほぼ変わらず、トラ

ワールド

トランプ氏、ニューズ・コープやWSJ記者らを提訴 

ビジネス

IMF、世界経済見通し下振れリスク優勢 貿易摩擦が

ビジネス

NY外為市場=ドル対ユーロで軟調、円は参院選が重し
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは「ゆったり系」がトレンドに
  • 3
    「想像を絶する」現場から救出された164匹のシュナウザーたち
  • 4
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 5
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 6
    「二次制裁」措置により「ロシアと取引継続なら大打…
  • 7
    「どの面下げて...?」ディズニーランドで遊ぶバンス…
  • 8
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 9
    「異常な出生率...」先進国なのになぜ? イスラエル…
  • 10
    アフリカ出身のフランス人歌手「アヤ・ナカムラ」が…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 4
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 8
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 9
    ネグレクトされ再び施設へ戻された14歳のチワワ、最…
  • 10
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 4
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 5
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 6
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story