World Voice

ミャンマーでエンタメとクリエイトする日々

新町智哉|ミャンマー

2年越しに考えていたミャンマー事業のスタート準備

2020年1月 ホテル建設現場の様子:筆者撮影

皆さんこんにちは。
映像プロデューサー新町です。
先日7月19日が過ぎました。
昨年も書きましたが、私がミャンマーに住み始めたのがこの「殉難者の日」です。
建国の父と言われているミャンマーの英雄アウンサン将軍が暗殺された日。
私は当時その事を全く知らなかったのですが、何の縁があったかたまたまその日からミャンマーで暮らすようになりました。

あれから8年が経ちました。
まさか自分がこんなに長くこの国と関わる事になるとは、当時想像していませんでしたがコロナ、クーデターを経験し、今もまだ国難が続いているこのミャンマーという国と向き合う日々です。

今月は私がミャンマーについて現在進行形で行っていることをお伝えしようと思います。

お知らせを一つ、先月の最後の記事で紹介をした「星の世界」ミャンマー語バージョンのMVが完成しました。
まだ幼い歌い手Chit Thu Thu Hanさんが歌っていますが、とても素敵な歌声です。
是非お聴きください。


それでは本題です。
キッカケは2020年4月、ミャンマーにもやってきたコロナによる国全体のロックダウンでした。
当時はその後にもっと大きな事件であるクーデターが起こるなど考えてもみなかったので、このコロナによるロックダウンというのはそれは衝撃的な事件でした。

そう大きな企業でもない私の会社も存続の危機に追い込まれ、事業を縮小し何とかしのいでいる状態でした。
それまで行っていた映像の制作の事業は仕事がなくなり、様々計画していた事業もとん挫する中考えていたのがミャンマーの事を伝えるメディアを作るという事でした。
メディアというと大げさな言い方かもしれません。
要は日本語の文章でミャンマーの事を伝えるという事です。
それをWEBで展開する。
SNSなどと連携するのは勿論ですが、自前のメディアページなどがあれば良いなと思っていました。

そのメディアの認知が上がったところで、自分に関わりのあるビジネスやサービス、商品などを販売していくという事ができると思ったのです。
自分が直接行っていない事業でも近しい友人がやっているもので興味深いものは沢山あったので大手と組むというよりは同じくらいの規模で事業をしている人たちを巻き込んでいけると楽しそうだなと単純に思いました。

文章を書く事はもともとそう得意という訳ではありませんでしたが、2019年頃から非公開のグループでミャンマーの事をエンタメ中心に伝えていくという事をしていたので先ずは自分が書ける範囲で様々な記事を書いていこうと考えました。
少しだけですが、プロの元で勉強する機会を得たのでそれも役に立つと考えていました。

ところがここで一つ大きな問題が発覚します。

長く暮らしていて、すっかりミャンマー贔屓になっていた私はぼんやりとしか考えていなかったのですが、日本に住んでいる日本人からするとミャンマーというのは私が想像していた以上にマイナーだったのです。
超ブルーオーシャンと言えば聞こえは良いかもしれませんが、WEBから顧客を引き込むという考えからすれば中々大変な数字でした。
具体的に言うと月の「ミャンマー」という単語の検索回数が当時は3万~6万程度しかなかったのです。

英語であればミャンマーは世界的にみるとかなりの検索回数がありました。
しかし私がやろうとしていたのは日本語でのメディアだったのでその月間検索回数が3万~6万しかない中でどんな事ができるのか?
という事を考えなければいけませんでした。
この数字では一般的な広告を貼って収益を得るというのは不可能です。

認知をある程度稼げたとしてもそこからビジネスに繋げるためにはかなり親和性の高い記事にしなければならないと考えました。
しかし、ビジネスありきで記事を書いていくというのはそもそもの趣旨から外れるような気もします。
ですが、キチンとビジネスとして成り立つ方向性で進めていけないのであれば継続ができません。

道徳なき経済は犯罪であり
経済なき道徳は寝言である
という二宮尊徳の言葉もあります。
この辺りの問題をキチンとクリアしていかないとうまくはいかないなと自分なりに色々と調べたりはしていたのですが、結局その時は事業をスタートするまでには至りませんでした。

ただ、文章を書く訓練と、ミャンマーをどのように切り取って伝えれば興味をもって観てもらえるか?
などを考え続けました。
これはエンタメに関わるものとしては常に考えてきたことなので全然苦ではありませんでした。
幸い仕事もほとんどなかったので時間は沢山ありました。

さて、ここまで読んでいただいた方には何となく察しがついたかもしれません。
昨年の4月から続けさせていただいているこのワールドボイスの連載はある意味当時私が考えていたメディアの一つの形ではあります。
そしてクーデターを経て不本意な形ではありますがミャンマー自体の日本語検索数も当時より大きくなっています。
しかし、当時と違うのはあの時以上に今ミャンマーでビジネスを立ち上げるのは難しくなっています。

それはつまり競合が減っているという事でもあります。
当時よりリスクが高くなったのは間違いありません。
ですが、競合が少ないというのはチャンスとも取れます。
何より私にはこれまで関わってきた沢山のミャンマー人の仲間がいます。
ビジネス的なチャンスと捉えるのは成功する確率というよりはもはやただの意地だったりこだわりという事なのかもしれません。

小さな小さな事から始めることになります。
ですが、いづれは沢山の人たちを巻き込んだ大きな流れにしていきたいと強く願っています。
どうか皆さんも楽しみながら見守っていただければ幸いです。

この話はまだ続きます。
続きは次回で。
それではまた明日。

 

Profile

著者プロフィール
新町智哉

映像プロデューサー。2014年からミャンマー最大都市ヤンゴンに在住。MAKE SENSE ENTERTAINMENT Co.,Ltd. GM。日緬製作スタッフによる短編コメディ「一杯のモヒンガー」でミャンマーワッタン映画祭のノミネートを皮切りに世界各国の映画祭で受賞。起業家、歌手、俳優としてもミャンマーで活動する。

Twitter:@tomoyangon
Instagram:tomoyangon
note:https://note.com/tomoyaan

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