日本にはもっとストが必要だ...「奇麗で安全で便利な国」なだけではダメ!外国では信じられない「声を上げない文化」
強権的な政治体制のイメージの強いイランではあるが、市井の人々はストを、中央政府や市政への抗議の手段として行使している。何かが抜本的に変わることはそうないかもしれないが、少なくとも市民の不満の表明にはなる。
翻って、日本では全くと言っていいほど、ストが行われない。電車もバスも飛行機も時間どおりに運行されるし、ごみ収集はスケジュールどおり、外国からの滞在者にとっては「奇麗で安全で便利な日本」だ。
だが働いている人は、ストが必要ないほど満足な条件下で働いているとは言えない。諸外国と比べればまだ低いとはいえ、物価も上がってきているのに、賃金の上昇は追い付かない。それなのに企業の内部留保は過去最高額というニュースを聞いたこともある。
日本はやっとデフレから抜け出しつつあるようだが、もう少しみんなが自分の意見を声高に言うべきだ。声を上げられる場がつくられるといいと思う。
石野シャハラン
SHAHRAN ISHINO
1980年イラン・テヘラン生まれ。2002年に留学のため来日。2015年日本国籍取得。異文化コミュニケーションアドバイザー。YouTube:「イラン出身シャハランの『言いたい放題』」 Twitter:@IshinoShahran
2024年6月18日号(6月11日発売)は「姿なき侵略者 中国」特集。ニューヨークの中心やカリブ海のリゾート地で影響力工作を拡大する中国の「ステルス侵略」
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