最新記事
米大統領戦

トランプに「出馬資格なし」のドミノ倒しが来る!?

Donald Trump's dominoes are starting to fall

2023年12月21日(木)16時14分
アンドリュー・スタントン
トランプ

トランプ退場 コロラド州最高裁は、議事堂襲撃に関与したトランプには同州予備選への出馬資格はないと判断した(写真は12月19日、アイオワ州ウォータールー) REUTERS/Scott Morgan

<コロラド州に続き、カリフォルニア州が後に続く構え。接戦州にも広がる可能性がある>

ドナルド・トランプ前米大統領から、2024年米大統領選に向けてカリフォルニア州で行われる予備選への立候補資格をはく奪するために「あらゆる法的な選択肢を検討」せよ――カリフォルニア州のエレニ・クナラカス副知事が、同州のシャーリー・ウィーバー州務長官にこう促した。

【写真】ポルノ女優から受付嬢まで、トランプの性スキャンダルを告発した美女たち


トランプは現在、2024年米大統領選に向けた共和党の候補者指名獲得レースでトップを独走している。しかし12月19日にはコロラド州最高裁が、トランプが2年前の連邦議会襲撃事件に関与したことを理由に、4対3で同州での予備選への立候補資格を認めない判断を下した。2021年1月6日にトランプの支持者が連邦議会に違法に押し入り、ジョー・バイデンの大統領当選の手続きを阻止しようとしたこの事件については、同日の朝にトランプが演説で支持者を扇動した疑いがもたれている。

コロラド州最高裁はこれについて、トランプの行動が、「暴動や反乱に関わった」者が公職に就くことを禁じる米合衆国憲法修正第14条3項に違反したとの判断を示した。

そしてカリフォルニア州の当局者らが現在、同州でのトランプの立候補資格はく奪を検討している。クナラカスは20日にウィーバーに送った書簡の中で、州としてどのような法的手段が可能かを探るよう促した。

接戦州にも波及?

「カリフォルニアは歴史の正しい側に立たなければならない」と彼女は書簡に記した。「コロラド州最高裁の示した判断理由と同じ理由でカリフォルニア州でもトランプの立候補を認めないのかどうか。カリフォルニア州にはそれを判断する義務がある。コロラド州が下した判断をベースとして、同様の判断を下すことが可能だ」

本誌がクナラカスの事務所にコメントを求めたところ、報道官からはこの書簡に関する報道発表を参照して欲しいとの返答があった。本誌はトランプ陣営とウィーバーの事務所にもメールでコメントを求めたが、返答はなかった。

コロラド州最高裁の今回の判断は2024年3月5日の予備選にのみ適用されるものだが、本選挙の立候補資格にも影響を及ぼす可能性がある。カリフォルニア州とコロラド州はいずれも民主党の牙城とされており、どちらにしてもトランプ勝利の可能性は低いが、より接戦が予想される州でも、立候補資格はく奪の可能性に直面している。

ミシガン州では、最高裁と控訴裁判所がトランプの立候補資格はく奪を求める請求を棄却したが、リベラル派の非営利団体「フリー・スピーチ・フォー・ピープル」がこれを不服として上訴している。

【20%オフ】GOHHME 電気毛布 掛け敷き兼用【アマゾン タイムセール】

(※画像をクリックしてアマゾンで詳細を見る)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米住宅価格指数、3月は前年比6.7%上昇 前月比で

ビジネス

米CB消費者信頼感、5月は102.0 インフレ懸念

ビジネス

アクティビスト投資家エリオット、米TIへの25億ド

ワールド

EU、ウクライナ国内での部隊訓練を議論 共通の見解
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:イラン大統領墜落死の衝撃
特集:イラン大統領墜落死の衝撃
2024年6月 4日号(5/28発売)

強硬派・ライシ大統領の突然の死はイスラム神権政治と中東の戦争をこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    中国海軍「ドローン専用空母」が革命的すぎる...ゲームチェンジャーに?

  • 2

    自爆ドローンが、ロシア兵に「突撃」する瞬間映像をウクライナが公開...シャベルで応戦するも避けきれず

  • 3

    メキシコに巨大な「緑の渦」が出現、その正体は?

  • 4

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 5

    汎用AIが特化型モデルを不要に=サム・アルトマン氏…

  • 6

    プーチンの天然ガス戦略が裏目で売り先が枯渇! 欧…

  • 7

    「なぜ彼と結婚したか分かるでしょ?」...メーガン妃…

  • 8

    なぜ「クアッド」はグダグダになってしまったのか?

  • 9

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発…

  • 10

    コンテナ船の衝突と橋の崩落から2カ月、米ボルティモ…

  • 1

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発」で吹き飛ばされる...ウクライナが動画を公開

  • 2

    自爆ドローンが、ロシア兵に「突撃」する瞬間映像をウクライナが公開...シャベルで応戦するも避けきれず

  • 3

    「なぜ彼と結婚したか分かるでしょ?」...メーガン妃がのろけた「結婚の決め手」とは

  • 4

    ウクライナ悲願のF16がロシアの最新鋭機Su57と対決す…

  • 5

    黒海沿岸、ロシアの大規模製油所から「火柱と黒煙」.…

  • 6

    戦うウクライナという盾がなくなれば第三次大戦は目…

  • 7

    能登群発地震、発生トリガーは大雪? 米MITが解析結…

  • 8

    「天国にいちばん近い島」の暗黒史──なぜニューカレ…

  • 9

    中国海軍「ドローン専用空母」が革命的すぎる...ゲー…

  • 10

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された─…

  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 3

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 4

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 5

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 6

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 7

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 8

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発…

  • 9

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中