米軍のF-16が同盟国トルコのドローンを撃墜 シリア駐留の米拠点接近で
米国防総省は10月5日、シリア駐留米軍の拠点付近で活動していたトルコの武装ドローン(無人機)を撃墜したと発表した。写真は、トルコ軍によるものとされる攻撃により、シリア北東部ハサカで立ち上る煙。North Press Agency提供写真(2023年 ロイター)
米国防総省は5日、シリア駐留米軍の拠点付近で活動していたトルコの武装ドローン(無人機)を撃墜したと発表した。米国が北大西洋条約機構(NATO)同盟国トルコの航空機を撃墜するのは初めて。
国防総省のライダー報道官によると、シリア北東部ハサカで5日午前、米軍拠点から約1キロの場所でトルコの無人機が空爆を行っているのを確認。その後、無人機が米軍から500メートル以内に近づいたため、脅威と見なしF16戦闘機が撃墜したという。トルコが意図的に米軍を標的にしていた兆候はないとも述べた。
トルコ国防省当局者は無人機について、トルコ軍のものではないとしている。
トルコ治安当局筋は5日、アンカラで先週末に起きた自爆攻撃を受けて国家情報機関がシリアでクルド人武装勢力を標的にした攻撃を行ったと述べた。
米主導の連合軍は「イスラム国」(IS)に対する作戦でクルド人主体の武装組織と連携している。
オースティン米国防長官はトルコのギュレル国防相と電話協議した。トルコ国防省によると、ギュレル氏はISに対し米国と共に戦う用意があるとオースティン氏に伝えた。また、両国がこの地域の活動で緊密に意思疎通を図る重要性を双方が強調したという。