最新記事

チェチェン

プーチンの「凶暴な下僕」カディロフ、主治医を殺すほど重篤な病?

Chechen Leader Accused of Burying Family Doctor 'Alive' for Poisoning Him

2023年9月12日(火)19時58分
ブレンダン・コール

ウクライナ4州の併合を宣言するロシアのセレモニーに出席したカディロフ(2022年9月30日、モスクワのクレムリンにて) Sputnik/Mikhail Metzel/REUTERS

<ワグネルに次ぐプーチンの「私兵」になると目された軍勢を率いるチェチェンのカディロフが、健康状態悪化のうえ主治医も行方知れず。事態は想像以上に深刻かもしれない>

【動画】統制は取れているのか? RPGのバックブラストが直撃して倒れるチェチェン人兵士

ロシア南部チェチェン共和国の独裁者であるラムザン・カディロフ首長が、自身の健康状態が悪化したのは主治医が毒を盛ったからだという疑いを抱き、その医師は惨殺されたと報じられた。

この話の情報源は、ウクライナメディアおよびウクライナ内務省のアントン・ゲラシチェンコ顧問。ゲラシチェンコは、ロシアの治安情報に詳しいテレグラム・チャンネル「VChK-OGPU」を引用する形でこの件を伝えた。VChK-OGPUは、ロシア治安部隊の内部情報を入手したと主張しているが、それを裏付ける根拠は示していない。

カディロフは、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領に忠誠を誓っており、ウクライナ侵攻でも残酷さで知られる自らの軍閥を率いてプーチンのために戦っている。

カディロフの健康状態が、進行中の腎臓障害で急激に悪化しているという報道はこれまでにもあり、毒を盛られたのではないかという臆測も広がっている。また、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで治療を受けたとの報道もある。

VChK-OGPUは9月10日の投稿で、自身の健康状態が突然悪化したことでカディロフが不安を抱き、担当医で副首相のエルハン・スレイマノフが毒殺を企てたと糾弾した、と伝えた。

複数の情報筋がVChK-OGPUに語ったところによると、スレイマノフが「生き埋めにされた」という噂もあるとのことだが、死亡を裏付ける確かな証拠はない。VChK-OGPUによれば、スレイマノフはカディロフに数回注射を打ったが、カディロフはこの注射が容体悪化の原因だと考え、2022年10月にスレイマノフを副首相の職から解任した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

上昇続く長期金利、「常態」とは判断できず=安達日銀

ビジネス

アングル:企業の保守的予想が株高抑制、上振れ「常連

ビジネス

IMF、24・25年中国GDP予想を上方修正 堅調

ワールド

タイ当局、タクシン元首相を不敬罪で起訴へ 王室侮辱
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:イラン大統領墜落死の衝撃
特集:イラン大統領墜落死の衝撃
2024年6月 4日号(5/28発売)

強硬派・ライシ大統領の突然の死はイスラム神権政治と中東の戦争をこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    中国海軍「ドローン専用空母」が革命的すぎる...ゲームチェンジャーに?

  • 2

    メキシコに巨大な「緑の渦」が出現、その正体は?

  • 3

    自爆ドローンが、ロシア兵に「突撃」する瞬間映像をウクライナが公開...シャベルで応戦するも避けきれず

  • 4

    ハイマースに次ぐウクライナ軍の強い味方、長射程で…

  • 5

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 6

    プーチンの天然ガス戦略が裏目で売り先が枯渇! 欧…

  • 7

    汎用AIが特化型モデルを不要に=サム・アルトマン氏…

  • 8

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発…

  • 9

    「なぜ彼と結婚したか分かるでしょ?」...メーガン妃…

  • 10

    「天国に一番近い島」で起きた暴動、フランスがニュ…

  • 1

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発」で吹き飛ばされる...ウクライナが動画を公開

  • 2

    自爆ドローンが、ロシア兵に「突撃」する瞬間映像をウクライナが公開...シャベルで応戦するも避けきれず

  • 3

    「なぜ彼と結婚したか分かるでしょ?」...メーガン妃がのろけた「結婚の決め手」とは

  • 4

    ウクライナ悲願のF16がロシアの最新鋭機Su57と対決す…

  • 5

    中国海軍「ドローン専用空母」が革命的すぎる...ゲー…

  • 6

    黒海沿岸、ロシアの大規模製油所から「火柱と黒煙」.…

  • 7

    戦うウクライナという盾がなくなれば第三次大戦は目…

  • 8

    能登群発地震、発生トリガーは大雪? 米MITが解析結…

  • 9

    「天国にいちばん近い島」の暗黒史──なぜニューカレ…

  • 10

    少子化が深刻化しているのは、もしかしてこれも理由?

  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 3

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 4

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 5

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 6

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 7

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 8

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発…

  • 9

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中