最新記事

ウクライナ情勢

ロシア黒海艦隊、ウクライナ無人艇の攻撃で相次ぐ被害──「大規模反攻への地ならし」と戦争研究所

Russia's Black Sea Fleet Suffers More Problems as Video Shows Tanker Strike

2023年8月7日(月)16時06分
ブレンダン・コール

ウクライナの情報当局の話としてロイターが伝えたところでは、攻撃をしかけたのはウクライナ保安庁と海軍だ。イギリスの国防関係者によれば、昨年4月13日に巡洋艦モスクワが撃沈されて以降、深刻な被害を受けたり破壊されたロシア海軍の艦艇としては、オレネゴルスキー・ゴルニャクは最大級のものだという。

セキュリティ企業S-RMの企業情報部門を率いるマーティン・デベニシュは本誌に対し、今回の攻撃はロシアの石油インフラに対する初の軍事攻撃だが、「市場を大きく揺るがす可能性は低い」と語った。

また、ロシアは受けた被害を小さく見せようとしつつ、同時に軍事作戦の継続の正当化を再び訴え始めるだろうとデベニシュは考える。

「標的の種類が目に見えて変わることはたぶんないだろう。たとえロシアが報復として、攻撃の回数や規模を一時的に増やしたとしてもだ」とデベニシュは述べた。

4日、ウクライナ海軍は、ロシア側の黒海のノボロシスクやソチなどの港周辺の6つの海域は「戦争リスク」エリアだと宣言した。将来的に攻撃の対象となりうるという警告とみられる。

前日の3日にはロシア国防省が、黒海において哨戒艇2隻に対するウクライナによるドローン攻撃を阻止したと発表した。2隻は黒海艦隊の本拠地セバストポリから約330キロ南西を航行中だったという。

ロシア軍はウクライナからの海上輸送を妨害すべく海上封鎖を新たに行おうとしている。ロシアはウクライナ南部の港湾都市オデーサを含む広い地域を攻撃、食糧関連の施設も被害に遭っている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

マスク氏、バイデン氏の対中関税引き上げに反対 「市

ビジネス

米4月新築住宅販売、前月比4.7%減の63万400

ワールド

メキシコ大統領選集会で舞台倒壊、9人死亡 支持率3

ビジネス

訂正-モルガン・スタンレーのゴーマン会長、年末に退
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:スマホ・アプリ健康術
特集:スマホ・アプリ健康術
2024年5月28日号(5/21発売)

健康長寿のカギはスマホとスマートウォッチにあり。アプリで食事・運動・体調を管理する方法

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「天国にいちばん近い島」の暗黒史──なぜニューカレドニアで非常事態が宣言されたか

  • 2

    ウクライナ悲願のF16がロシアの最新鋭機Su57と対決するとき

  • 3

    黒海沿岸、ロシアの大規模製油所から「火柱と黒煙」...ウクライナのドローンが突っ込む瞬間とみられる劇的映像

  • 4

    能登群発地震、発生トリガーは大雪? 米MITが解析結…

  • 5

    戦うウクライナという盾がなくなれば第三次大戦は目…

  • 6

    韓国は「移民国家」に向かうのか?

  • 7

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 8

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 9

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された─…

  • 10

    高速鉄道熱に沸くアメリカ、先行する中国を追う──新…

  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 3

    娘が「バイクで連れ去られる」動画を見て、父親は気を失った...家族が語ったハマスによる「拉致」被害

  • 4

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 5

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の…

  • 6

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 7

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 8

    能登群発地震、発生トリガーは大雪? 米MITが解析結…

  • 9

    ウクライナ悲願のF16がロシアの最新鋭機Su57と対決す…

  • 10

    米誌映画担当、今年一番気に入った映画のシーンは『…

  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 5

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 6

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 7

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中