最新記事

世界のニュース50

「もうとどまるのは嫌だ」オレゴンとアイダホで州境紛争勃発...その驚きの原因

2023年5月2日(火)11時00分
冷泉彰彦(在米作家、ジャーナリスト)
アイダホ州とオレゴン州

アイダホ州とオレゴン州 Alexander Lukatskiy-Shutterstock

<陸部の住民の多くがアイダホ州への帰属を希望>

アメリカ北西部のアイダホ州とオレゴン州の間で、突然の「州境紛争」が勃発した。

【動画】「とどまるのは嫌だ」アイダホ州への帰属を希望...オレゴン州の保守派たち、驚きの見解

オレゴン州の東側、つまり内陸部の住民の多くがアイダホ州への帰属を希望し始め、これを受けてアイダホ州側がこの地域を編入する「大アイダホ構想」をぶち上げたのだ。

背景にあるのは、オレゴン州内の政治的な左右対立だ。トランプ前政権時代に、黒人の人権擁護運動が州内最大都市ポートランドで激しいデモに発展するなど、オレゴン州の太平洋岸の気質は極めてリベラルだ。

ところが、内陸部の保守派はこれが気に入らない。ポートランドでは左派のデモ隊に右派が暴力を振るう事件も起きていたが、右派としては「もうオレゴン州にとどまるのは嫌だ」ということらしい。

具体的には3つの理由がある。1つは、銃規制の厳しいオレゴン州法から離脱したいこと。2つ目はマリフアナ解禁への反発。3つ目はホームレス保護法への反対で、いずれもその根本にはイデオロギー対立がある。

オレゴン州の議会や裁判所は東部の離脱に反対しているので、実際の編入手続きは難航しそうだ。だが、左右の分断が州境紛争に発展していることは間違いない。

【20%オフ】GOHHME 電気毛布 掛け敷き兼用【アマゾン タイムセール】

(※画像をクリックしてアマゾンで詳細を見る)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

台湾の頼次期総統、20日の就任式で中国との「現状維

ワールド

イスラエル軍、ガザ北部で攻勢強化 米大統領補佐官が

ワールド

アングル:トランプ氏陣営、本選敗北に備え「異議申し

ビジネス

日本製鉄副会長が来週訪米、USスチール買収で働きか
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバいのか!?

  • 3

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイジェリアの少年」...経験した偏見と苦難、そして現在の夢

  • 4

    「まるでロイヤルツアー」...メーガン妃とヘンリー王…

  • 5

    時速160キロで走行...制御失ったテスラが宙を舞い、4…

  • 6

    チャールズ英国王、自身の「不気味」な肖像画を見た…

  • 7

    英供与車両から巨大な黒煙...ロシアのドローンが「貴…

  • 8

    日本とはどこが違う? 韓国ドラマのオリジナルサウン…

  • 9

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 10

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 1

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 2

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 3

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 6

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 7

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 8

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 9

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 10

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 4

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中