zzzzz

最新記事

新型コロナウイルス

「ウイルスは研究所で生まれた」──いまだ「機能獲得実験の証拠」がタブーな理由とは?

A China Lab Leak?

2023年4月21日(金)13時24分
スティーブン・クエイ(医師・科学者)

230425p64_MTN_02edit.jpg

ウイルス研究の危険性を指摘するクエイ DR STEVEN QUAY

私は研究者として査読付きの論文や報告書を390本、執筆してきた。20年には私だけでなく、同じような指摘をしていた研究者も学術誌に論文を送ったが、データの是非を検証されることもなく却下された。

その後、私の論文は査読されるようになったが、学術界はこの種の研究への関与を拒否していると感じた。やがて彼らは「SARS-CoV-2が研究室から生まれたことを示す査読済みのデータはない」と公に主張するようになった。

思うに、学術界は情報の門番として非常に不道徳な方法で、研究所由来のウイルスであるという情報の侵入を阻止してきたのだろう。

私は15年にコロナウイルス感染症の治療法に関する特許を取得しているが、評論家からは現役のコロナウイルス専門家ではないというコメントも頂戴した。

私の研究結果の正当性が証明されていないことは残念だ。このウイルスは数百万人の命を奪った。情報の門番や、権力の座にある一部の人々は、必ずしも道徳的に仕事をしているわけではない。

とはいえ、わずかながら雪解けは始まっているようだ。

SARS-CoV-2の感染が研究室から始まったと推測することは許容範囲になったが、今のところ、ウイルスの感染力などを高めるための「機能獲得実験」によって操作された証拠があるという主張はタブーだ。

生物兵器開発プログラムの一部ではないかと話題にすることも容認されていない。

機能獲得実験のリスク

一方で、世界中の研究所から米国立衛生研究所(NIH)のジェンバンク(ヒトゲノムの解読結果を公開しているデータベース)のシステムに登録された遺伝物質を私たちが調べたところ、3種類の機能獲得実験が行われている証拠が見つかった。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:アルゼンチン止まらぬ物価高、隣国の町もゴ

ビジネス

アングル:肥満症薬に熱視線、30年代初頭までに世界

ワールド

イスラエル、新休戦案を提示 米大統領が発表 ハマス

ビジネス

米国株式市場=ダウ急反発、574ドル高 インフレ指
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:イラン大統領墜落死の衝撃
特集:イラン大統領墜落死の衝撃
2024年6月 4日号(5/28発売)

強硬派・ライシ大統領の突然の死はイスラム神権政治と中東の戦争をこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    F-16はまだか?スウェーデン製グリペン戦闘機の引き渡しも一時停止に

  • 2

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入、強烈な爆発で「木端微塵」に...ウクライナが映像公開

  • 3

    「ポリコレ」ディズニーに猛反発...保守派が制作する、もう1つの『白雪姫』とは

  • 4

    インドで「性暴力を受けた」、旅行者の告発が相次ぐ.…

  • 5

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発…

  • 6

    「人間の密輸」に手を染める10代がアメリカで急増...…

  • 7

    「集中力続かない」「ミスが増えた」...メンタル不調…

  • 8

    自爆ドローンが、ロシア兵に「突撃」する瞬間映像を…

  • 9

    ロシアT-90戦車を大破させたウクライナ軍ドローン「…

  • 10

    米女性の「日焼け」の形に、米ネットユーザーが大騒…

  • 1

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発」で吹き飛ばされる...ウクライナが動画を公開

  • 2

    自爆ドローンが、ロシア兵に「突撃」する瞬間映像をウクライナが公開...シャベルで応戦するも避けきれず

  • 3

    「なぜ彼と結婚したか分かるでしょ?」...メーガン妃がのろけた「結婚の決め手」とは

  • 4

    中国海軍「ドローン専用空母」が革命的すぎる...ゲー…

  • 5

    ハイマースに次ぐウクライナ軍の強い味方、長射程で…

  • 6

    仕事量も給料も減らさない「週4勤務」移行、アメリカ…

  • 7

    都知事選の候補者は東京の2つの課題から逃げるな

  • 8

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 9

    少子化が深刻化しているのは、もしかしてこれも理由?

  • 10

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 3

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 4

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 5

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 6

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 7

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発…

  • 8

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 9

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

  • 10

    自爆ドローンが、ロシア兵に「突撃」する瞬間映像を…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中