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「他国に圧力『戦狼外交』に効果なし」というデータ結果──実は中国国内向けアピール?

2023年2月13日(月)12時47分
ベン・サンド(台湾ダブルシンク・ラボ研究員)

研究者の間には、そもそも実際に外交上の成果を上げることを目的としていないのではないかという見方もある。あくまでも国内のナショナリストたちを満足させることが目的だというわけだ。

もっとも、中国外交における高圧的な措置の中には、国民のナショナリズムに働きかける効果が乏しそうに思えるものもある。例えば、中国政府は一昨年、台湾産のパイナップルの輸入を停止したが、国民が喜ぶのはもっと派手な行動だろう。

中国政府の外交上の狙いは、直接の標的になった国ではなく、ほかの国々を牽制することにあるという見方もある。確かに、南アフリカやロシアは、中国から制裁を科されたわけではないのに、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世の入国を拒んだ。

あるいは、高圧路線に効果がないことに中国政府がこれまで気付いていなかっただけの可能性もある。この1月、戦狼外交のシンボル的存在だった趙立堅(チャオ・リーチエン)報道官が異動したことは、中国政府が外交路線を修正しようとしていることの表れなのかもしれない。

いずれにせよ、今回の調査結果で少しほっとした人は少なくないだろう。

From thediplomat.com

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