最新記事

ウクライナ

リマン奪還に向かうウクライナ兵のダンスが話題に

Video of Ukraine Troops Dancing Ahead of Lyman Victory Viewed 1.6M Times

2022年10月3日(月)18時24分
ザンダー・ランドン

武器を持って踊るウクライナ兵  Reyna/YouTube

<ウクライナ東部の要衝リマン市を奪還したウクライナ軍兵士は士気が、勝利を前に踊る動画がバズっている>

ウクライナ軍はドネツク東部の重要拠点リマン市をロシア軍から奪還したが、数日前の9月29日、ウクライナ軍兵士が勝利を祝って踊る姿が投稿され、話題になっている。

キーウ・インディペンデントのウクライナ人ジャーナリスト、オレクシー・ソロキンは「リマンの包囲に向かうウクライナ軍の姿」という文章とともにその動画をツイートした。

動画では、数人の兵士が薄暗くした部屋で赤いフラッシュライトを大きく振りながらノリノリで踊る。

【動画】フラッシュライトを振って踊るウクライナ兵

またイリヤ・アイジンというユーザーがツイッターで公開した別の動画は、縦一列に並んだウクライナ兵が左右にスゥイングしながらリマンに向かって進む様子だという。

【動画】交互にスウィングするウクライナ兵

「軍隊がリマンに入る」と、アイジンは書いている。「彼らは気分を盛り上げる方法を知っている」

ロシアの国営メディアRIAノボスチが報じたところでは、ロシア国防省は10月1日、5月から占領していたリマンからロシア軍を撤退させたことを確認した。

ウクライナ軍の報道官は9月30日、同市周辺の包囲は「最終段階」に入ったと述べていたが、その後、完全に奪還したことを発表した。

「敵が弾薬や人員を送り込んだ進入および兵站ルートはすべて、実質的にウクライナの管理下にある」と、ウクライナ軍の報道官セルヒ・チェレバティは語った。

「違法な」併合の直後

リマンはウクライナ東部ドネツク州の要衝で、先日、ロシアへの加盟を問う住民投票が行われた地域の1つ。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、この投票をもとに、この地域の併合を宣言した。

プーチンによる領土の併合宣言と、住民投票の結果には、多くの批判が寄せられている。

「プーチンが署名した書類は、ウクライナの土地の主権が誰にあるかを決めるものではない。それは、リマンに進軍するウクライナの兵士たちが決めることだ」と、マイケル・マクフォール元駐ロシア大使は30日にツイートした。

「私は、ロシアによるウクライナのドネツク、ルハンスク、ザポリジヤ、ケルソンの各州の違法な併合を強く非難する。これは国際法とウクライナの主権の両方に対する重大な侵害である」と、フランスのエマニュエル・マクロン大統領は30日に述べた。

一方、ウクライナは、併合されたからといって、最終的にロシアの支配から全領土を解放するという軍事的目標が変わることはないと強調した。

「われわれは軍事的手段によって自国の領土を解放する。われわれの行動は、ロシア連邦が何を考え、何を望むかではなく、ウクライナの潜在的な軍事力の大きさにかかっている」と、ウクライナのミハイロ・ポドリャク大統領府顧問は29日にAP通信に語った。

本誌はロシアとウクライナの国防省にコメントを求めた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

AIとデータセンター関連の銅需要、年間20万トン増

ビジネス

テスラの自動運転機能巡る集団訴訟が審理へ、米連邦地

ワールド

原油先物は続伸、米インフレ鈍化と堅調な燃料需要受け

ビジネス

GDP1─3月期は年率2.0%減、内需に弱さ 特殊
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 2

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史も「韻」を踏む

  • 3

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダブルの「大合唱」

  • 4

    マーク・ザッカーバーグ氏インタビュー「なぜAIを無…

  • 5

    それでもインドは中国に勝てない...国内企業の投資意…

  • 6

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 7

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 8

    羽田空港衝突事故で「日航の奇跡」を可能にした、奇…

  • 9

    総額100万円ほどの負担増...国民年金の納付「5年延長…

  • 10

    奇跡の成長に取り残された、韓国「貧困高齢者」の苦悩

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 4

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 5

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 6

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 7

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 10

    ウクライナ防空の切り札「機関銃ドローン」、米追加…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中