最新記事

選挙

豪、総選挙勝利で中道左派の労働党が政権交代 アルバニージー新首相がクアッド首脳会合参加へ

2022年5月22日(日)10時48分
シドニーで支持者を前に演説するアルバニージー氏(中央)

5月21日に投開票されたオーストラリアの総選挙は中道左派の野党・労働党の勝利が確実となり、9年ぶりに政権交代する見通しになった。同党のアルバニージー党首(写真中央)が与党・保守連合(自由党と国民党)のモリソン首相に代わり次期首相に就任する。シドニーで支持者を前に演説するアルバニージー氏(2022年 ロイター/Jaimi Joy)

21日に投開票されたオーストラリアの総選挙は中道左派の野党・労働党の勝利が確実となり、9年ぶりに政権交代する見通しになった。同党のアルバニージー党首が与党・保守連合(自由党と国民党)のモリソン首相に代わり次期首相に就任する。

史上最悪レベルの森林火災や洪水被害を受け、環境問題に対する無策に有権者の不満が高まる中、気候変動対策やジェンダーの平等などを訴えた無所属候補や緑の党が躍進した。

モリソン氏は「次期首相のアルバニージー氏に祝意を伝えた」と述べ、敗北を認めた。自由党党首を退く意向も示した。

アルバニージー氏は、国を結束させ、「気候闘争を終わらせる」ことを目指すと表明。「国民は一つになり、共通の利益を見いだし、共通の目的意識に目を向けることを望んでいる。分断にうんざりし、国として結束することを望んでおり、私はそれを主導する」と述べた。

また、24日に東京で行われるクアッド(日米豪印4カ国の枠組み)首脳会合への出席に向けて迅速な就任を目指すとした。

労働党は単独で下院(定数151)の過半数(76議席)を獲得できるか依然不透明な情勢だ。過去最多に上った郵便投票の集計が終わるまで、最終結果の判明には時間がかかる見通し。

公共放送ABCによると、開票率60%の時点で労働党が72議席、保守連合が55議席、無所属と緑の党が計11議席を獲得する見通し。残る13議席は未確定。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2022トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・ロシア戦車を破壊したウクライナ軍のトルコ製ドローンの映像が話題に
・「ロシア人よ、地獄へようこそ」ウクライナ市民のレジスタンスが始まった
・【まんがで分かる】プーチン最強伝説の嘘とホント
・【映像】ロシア軍戦車、民間人のクルマに砲撃 老夫婦が犠牲に


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

原油先物は下落、米高金利の長期化が需要圧迫との懸念

ビジネス

豪消費者信頼感、5月は前月比0.3%低下 政府の物

ワールド

トランプ氏が起訴取り下げ要求、不倫口止め裁判

ビジネス

米デル、AI対応製品の品揃え強化へ 新型PCやサー
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:スマホ・アプリ健康術
特集:スマホ・アプリ健康術
2024年5月28日号(5/21発売)

健康長寿のカギはスマホとスマートウォッチにあり。アプリで食事・運動・体調を管理する方法

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    娘が「バイクで連れ去られる」動画を見て、父親は気を失った...家族が語ったハマスによる「拉致」被害

  • 3

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の「ロイヤル大変貌」が話題に

  • 4

    米誌映画担当、今年一番気に入った映画のシーンは『…

  • 5

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 6

    中国の文化人・エリート層が「自由と文化」を求め日…

  • 7

    ベトナム「植民地解放」70年を鮮やかな民族衣装で祝…

  • 8

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 9

    服着てる? ブルックス・ネイダーの「ほぼ丸見え」ネ…

  • 10

    「親ロシア派」フィツォ首相の銃撃犯は「親ロシア派…

  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 3

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 4

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 5

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 6

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の…

  • 7

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 8

    娘が「バイクで連れ去られる」動画を見て、父親は気…

  • 9

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 10

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 5

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 6

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 7

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 8

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中