最新記事

ミャンマー

スーチー、今度は汚職罪で禁錮5年 ミャンマー裁判所が判決

2022年4月27日(水)16時19分
ミャンマーのアウン・サン・スー・チー

ミャンマー国軍の統制下にある裁判所は、民主化指導者アウンサンスーチー氏(写真)に汚職の罪で禁錮5年の判決を言い渡した。写真はミャンマーのネピドーで2019年1月撮影(2022年 ロイター/Ann Wang)

ミャンマー国軍の統制下にある裁判所は27日、民主化指導者アウンサンスーチー氏に汚職の罪で禁錮5年の判決を言い渡した。関係者が明らかにした。

スーチー氏は11件の汚職罪で起訴されており、今回初めて判決が出た。汚職罪は1件につき最大禁錮15年。

起訴は少なくとも18件に上り刑期は最長190年に及ぶため、同氏の政治復帰の可能性はほぼ断たれている。

関係者によると、開廷と同時に裁判官が判決を言い渡し何も説明しなかった。裁判は非公開で行われた。スーチー氏は控訴する方針という。

判決が出たのは、ヤンゴン地域首相だったピョーミンテイン氏から現金60万ドルと金塊11.4キログラムを賄賂として受け取ったとされる事件。スーチー氏側は起訴内容を否定している。

ヒューマン・ライツ・ウォッチのアジア局局長代理フィル・ロバートソン氏は「ミャンマーの軍事政権といかさま裁判所は、スーチー氏に終身刑に相当する判決を下そうとしている」と指摘した。

「ミャンマーの民主主義を破壊することはスーチー氏を排除することでもあり、軍事政権はチャンスを逃すことはない」と述べた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2022トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・マレーシア、ミャンマー民主勢力と接触 世界の関心がウクライナに移り関係者に苛立ちも
・ミャンマー軍、インド国境近くの住民10人を虐殺 13歳少年や記者らを後手に縛り......
・ミャンマー活動家の親に国軍が圧力「家を失いたくなければ親子の縁を切れ」
・政変後の無法状態が「ビジネスチャンス」に...麻薬の泥沼に沈むミャンマー


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

韓国GDP、第1四半期は前期比+1.3%で予想上回

ビジネス

日経平均は反落で寄り付く、米金利高止まりを警戒

ワールド

メキシコ大統領選、与党シェインバウム氏が支持リード

ワールド

ウクライナ、国外在住男性のパスポート申請制限 兵員
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    マイナス金利の解除でも、円安が止まらない「当然」…

  • 6

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 7

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 10

    イランのイスラエル攻撃でアラブ諸国がまさかのイス…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 7

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中