最新記事

ハリウッド

A・ボールドウィン誤射事件、インタビューで深まった疑惑

Alec Baldwin Accused of 'Acting' in Interview Remarks About 'Rust' Shooting

2021年12月4日(土)11時43分
エマ・ノーラン
アレック・ボールドウィン

今までで最も真に迫った演技をした?ボールドウィン(写真は2013年) Lucy Nicholson-REUTERS

<事件後初のテレビインタビューで、ボールドウィンの悲嘆ぶりがあまりに大袈裟で「演技」にも見えてしまう上、銃の「引き金は引いていない」と言い出した>

映画『Rust』の撮影中に、小道具の銃でスタッフ2人が死傷した問題で、俳優アレック・ボールドウィンが事件後初めて応じたテレビのインタビューが「演技」ではないか、と批判を浴びている。

ボールドウィンは米ABCニュースのジョージ・ステファノポロスのインタビューに応じ、自分が発砲した小道具の銃により、撮影監督のハリナ・ハッチンス(42)が死亡した事故について語った。これがツイッター上で広くシェアされ、議論を呼んでいる。

ボールドウィンはその中で、ハッチンスの命を奪った銃について、自分は引き金を引いていないとステファノポロスに語っている。

「引き金は引かれなかった。私は引き金を引いていない。私が誰かに銃口を向けたり、誰かに向けて引き金を引いたりすることはない。そんなことは絶対にしない」とボールドウィンは語った。


彼はまた、なぜ小道具の銃に実弾が装填されたのかということや、なぜ実弾が撮影現場にあったのかについては「まったく分からない」と述べた。

「誰かが銃に実弾を込めた。そもそも実弾が撮影現場にあるはずはなかった」

映画の予告編さながらの動画に「演技だ」と批判

ボールドウィンは、つらそうに事件を振り返った。ステファノポロスから、今回の事件はこれまでで最悪の経験だったかと問われると、彼はこう答えた。「そう思う。改めて考えてみても、自分に一体何ができたのかが分からないからだ」

ボールドウィンは両手で頭を抱え、「今でも信じられない。現実だとは思えないんだ」と続けた。ステファノポロスから、この現実とどうやって折り合いをつけるのか」と問われ、涙をぬぐう場面もあった。

憔悴しきったボールドウィンの様子に、ソーシャルメディア上では「これは演技だ」という批判の声があがった。

保守派の執筆家ニック・アダムズは、「アレック・ボールドウィンは、ジョージ・ステファノポロスを相手に大芝居を打った」とツイートした。


ゲーム動画のストリーマー(配信者)であるライアン・「グーテックス」・グティエレスは、問題のインタビューの中でボールドウィンは「これまでで最も物議を醸す役を演じた。引き金を引かなかったふりをしたのだ」と投稿した。


また別の人物は、次のようにツイートした。「ジョージ・ステファノポロス相手のインタビューは、アレック・ボールドウィンのこれまでで最高の演技だったかもしれない」

だが、その「演技」でボールドウィンが何かを隠そうとしたのか、あるいは何を達成しようとしたのかは明らかでない。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米テスラ、従業員の解雇費用に3億5000万ドル超計

ワールド

中国の産業スパイ活動に警戒すべき、独情報機関が国内

ワールド

バイデン氏、ウクライナ支援法案に署名 数時間以内に

ビジネス

米耐久財コア受注、3月は0.2%増 第1四半期の設
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 2

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 3

    マイナス金利の解除でも、円安が止まらない「当然」の理由...関係者も見落とした「冷徹な市場のルール」

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 6

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 7

    イランのイスラエル攻撃でアラブ諸国がまさかのイス…

  • 8

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    コロナ禍と東京五輪を挟んだ6年ぶりの訪問で、「新し…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 10

    ダイヤモンドバックスの試合中、自席の前を横切る子…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中