最新記事

アメリカ政治

もう出た!「オミクロン株は民主党のでっち上げ」米FOXニュース

Fox Hosts Suggest COVID Variants Are Being Made up by Democrats

2021年11月29日(月)19時11分
ハレダ・ラーマン
アメリカのコロナイメージ

そもそもコロナ禍を長引かせているのは、ワクチン懐疑論を流布する右派なのだが mirza kadic-iStock

<相変わらずの陰謀論に、著名人からは「もう右派系メディアを見るな」との呼びかけも>

南アフリカで確認された新型コロナウイルスの新たな変異株に対し、世界中で懸念が高まる中、アメリカの保守系ニュースチャンネルのFOXニュースでは、番組司会者らがこれは民主党によるでっち上げだと主張し、物議を醸している。

問題の発言があったのは、11月27日朝に放映された討論番組「フォックス・アンド・フレンズ」。司会者のレイチェル・カンポスダフィー、ピート・ヘグセス、ウィル・ケインの3人は、新種の「オミクロン株」を巡って再びロックダウンが行われる可能性について意見を交わした。

「ロックダウンの可能性について、またいたずらに議論が行われている」とケインは言った。「経済活動の制限についてもだ。目下の危機を引き起こしたのは経済活動の制限であり、ひとたび制限を行えば、そのあと順調に景気が戻ってくることなど期待できない」

カンポスダフィーはまた、バイデン政権で運輸長官を務めるピート・ブティジェッジを「民主党の次期大統領の有力候補」だとした上でやり玉に上げた。

バイデン政権が課題を放置する口実に?

「(ブティジェッジは)パンデミックが終わるまで、コロナが終わるまでサプライチェーンの問題は解決できないと言った。そして今度は新しい変異株の登場で、さらなるロックダウンだ。恐怖が続けば、サプライチェーン問題の解決という自分の仕事をやらないですむ」

ケインもこう述べた。「毎度の変異株だ」

ヘグセスは新たな変異株は約2年おきに出てくるだろうと述べた。大統領選と中間選挙が行われるサイクルと一致すると言わんばかりだ。「2年に1度の10月には、(新しい)変異株が出てくるぞ」


ケインはこう応じた。「そうだ。たぶんその通りだ。だがスピードがもっと上がるかも知れない。変異株はもっと早く出てくるかも知れない」

ヘグセスは電話で商品を注文するような口ぶりで「今、新しい変異株が1つ必要なんです」と述べた。

ソーシャルメディアでは、変異株の出現を陰謀論で片付けようとするこうした発言を非難する声が上がる一方で、民主党が変異株を利用して選挙を有利に運ぼうとしているとの見方を支持する人々もいた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

過度な変動への対応、介入原資が制約とは認識してない

ビジネス

米新興EVリビアン第1四半期は赤字拡大、設備改修コ

ビジネス

アングル:米企業のM&A資金、想定利下げ幅縮小で株

ビジネス

円安にはプラスとマイナス、今は物価高騰への対応重要
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岸田のホンネ
特集:岸田のホンネ
2024年5月14日号(5/ 8発売)

金正恩会談、台湾有事、円安・インフレの出口......岸田首相がニューズウィーク単独取材で語った「次の日本」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 2

    「自然は残酷だ...」動物園でクマがカモの親子を捕食...止めようと叫ぶ子どもたち

  • 3

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 4

    「真の脅威」は中国の大きすぎる「その野心」

  • 5

    デモを強制排除した米名門コロンビア大学の無分別...…

  • 6

    いま買うべきは日本株か、アメリカ株か? 4つの「グ…

  • 7

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 8

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 9

    中国軍機がオーストラリア軍ヘリを妨害 豪国防相「…

  • 10

    翼が生えた「天使」のような形に、トゲだらけの体表.…

  • 1

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 2

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 3

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 4

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 5

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 6

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 7

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 8

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 9

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 10

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中