最新記事

ドイツ

独SPD・緑の党・FDPの3党、連立協議のロードマップで合意

2021年10月18日(月)09時09分
左から緑の党のベーアボック共同党首、ショルツ氏、FDPのリントナー党首

ドイツ社会民主党(SPD)のショルツ次期首相候補は15日、2つの小数政党の党首とともに連立政権樹立に向けた正式協議への移行を勧告し、交渉に向けたロードマップに合意したと語った。写真は左から緑の党のベーアボック共同党首、ショルツ氏、FDPのリントナー党首。10月15日、ベルリンで撮影(2021年 ロイター/Annegret Hilse)

ドイツ社会民主党(SPD)のショルツ次期首相候補は15日、2つの小数政党の党首とともに連立政権樹立に向けた正式協議への移行を勧告し、交渉に向けたロードマップに合意したと語った。

9月の選挙で第一党となった中道左派のSPDと緑の党、企業寄りの姿勢で知られる自由民主党(FDP)は、連立政権を樹立するのに十分な共通点があるかどうかについての予備協議は建設的だったとした。

ショルツ氏は記者会見で「3政党が連立することで、新しいスタートが可能になる」と述べた。

FDPのリントナー党首は、3政党の色から名付けられた「信号機」連立について「これほど異なる政党が、共通の課題と解決策に合意できれば、国を団結する機会となる」と指摘した。

連邦レベルでこのような連立政権が誕生するのは初めてとなり、メルケル首相率いる16年間の保守政権に終止符を打つことになる。

緑の党のベーアボック共同党首は「再生の10年にするための改革と進歩」の連立であるべきだと述べた。

リントナー氏は「社会、経済、政府を近代化するためのこのような機会は、非常に長い間なかったと確信している」と述べた。

ショルツ氏によると、3党は協議を進めるかどうかを18日までに発表する予定。

ロイターが確認した連立協議ロードマップによると、3党は2030年までに石炭火力発電から撤退するなどの主要な点で合意。土地の2%をオンショア風力発電所に使用し、適切な屋根にすべてソーラーパネルを設置、計画・認可の時間を少なくとも半減することにも同意した。

さらに政権初年度に最低賃金を時給12ユーロ(14ドル)に引き上げ、定年延長や年金削減を行わないことにも合意した。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...



今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

英サービスPMI4月改定値、約1年ぶり高水準 成長

ワールド

ノルウェー中銀、金利据え置き 引き締め長期化の可能

ワールド

トルコCPI、4月は前年比+69.8% 22年以来

ビジネス

ドル/円、一時152.75円 週初から3%超の円高
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 4

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 5

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 6

    「TSMC創業者」モリス・チャンが、IBM工場の買収を視…

  • 7

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 8

    中国のコモディティ爆買い続く、 最終兵器「人民元切…

  • 9

    「複雑で自由で多様」...日本アニメがこれからも世界…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 5

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 8

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 9

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 10

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中