最新記事

人権問題

福山雅治ほどの温厚な人を怒らせた「3つのスイッチ」とは

2021年7月30日(金)18時02分
木村 隆志(コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者) *東洋経済オンラインからの転載
福山雅治

福山雅治さんが本気で怒った意味は? ALESSANDRO BIANCHI - REUTERS

温厚な人柄で知られる福山雅治さんが初めて見せたであろう「怒り」が、波紋を呼んでいます。

福山さんは7月10日の「福山雅治 福のラジオ」(TOKYO FM)で、週刊誌報道に対する思いを吐露。落ち着いた口調で言葉を選びながらも、「黙っていることはできない」「守られるべきものが守られていない」「とても怖いこと」「一線どころか随分超えたところまで来ちゃった」「変わっていく時期」などの強い口調に怒りが表れていました。

これまで福山さんは週刊誌などの報道に「完全スルーという姿勢でやってまいりました」と語っていますし、そもそも吹石一恵さんとの結婚当時すら言及しないなど、プライベートにふれたことはほとんどありません。そんな福山さんが、なぜ今回は約7分半にわたる怒りの声をあげたのでしょうか。

それを突き詰めていくと、温厚な人を激怒させるスイッチが浮かび上がってきます。

自分のことは大らかに受け止められる

温厚な人でも怒らせてしまうスイッチは1つだけではなく、"現在""過去""未来"にかかわる3つのものがあります。

まず"現在"にかかわる怒りのスイッチは、自分が本当に大切にしている人やモノへの攻撃。

ふだん温厚な人ほど自分のことは「何とでもなる」「まあいいか」と大らかに受け止められ、怒らない傾向があります。とりわけ福山さんのような成功者は、「これまで培ってきた経験とスキルで乗り切れる」という感覚があるため、感情が大きく乱れることはありません。福山さんがこれまでの週刊誌報道に対して多少の怒りはあっても「完全スルーという姿勢」を続けてきたのは、「自分のことではそんなに怒れない」という温厚な人柄と、成功者らしい思考によるものでしょう。

しかし、今回の件は自分ではなく、まだ幼い子どもにかかわること。福山さんは、「『子どもを守っていく』という立場になったときに、『黙っている』っていうのは、『子どもに対して説明がつかないな』と思ったんですよね。『子どもに対してきちんと説明できる状態。十分に納得してくれる状態にするのが親としての務めではないか』と思っていて」と語っていました。

これまでも福山さんは、名前や誕生日だけでなく性別すら明かさないなど、子どもを守る姿勢を見せてきましたが、「それだけでは守り切れなくなってしまった」ということでしょう。自らの「プライベートを語らない」というスタンスを変えてまで言及したところに、強い決意を感じてしまいます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

焦点:過熱するAI相場、収益化への懸念で市場に警戒

ビジネス

午前の日経平均は続伸、米ハイテク株高や高市トレード

ワールド

ハンガリー外相、EUのロシア産エネルギー輸入廃止を

ワールド

アルゼンチン、米と貿易協定協議 優遇措置も=ミレイ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ海で「中国J-16」 vs 「ステルス機」
  • 2
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道されない、被害の状況と実態
  • 3
    「欧州最大の企業」がデンマークで生まれたワケ...奇跡の成長をもたらしたフレキシキュリティーとは
  • 4
    「心の知能指数(EQ)」とは何か...「EQが高い人」に…
  • 5
    イーロン・マスク、新構想「Macrohard」でマイクロソ…
  • 6
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 7
    【クイズ】アメリカで最も「死亡者」が多く、「給与…
  • 8
    「中国に待ち伏せされた!」レアアース規制にトラン…
  • 9
    【クイズ】サッカー男子日本代表...FIFAランキングの…
  • 10
    間取り図に「謎の空間」...封印されたスペースの正体…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな飼い主との「イケイケなダンス」姿に涙と感動の声
  • 3
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 4
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 5
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 6
    ベゾス妻 vs C・ロナウド婚約者、バチバチ「指輪対決…
  • 7
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 8
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 9
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 10
    「中国のビットコイン女王」が英国で有罪...押収され…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 7
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 8
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 9
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分…
  • 10
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中