最新記事

天安門事件

香港警察、天安門事件32周年で追悼集会の主催団体幹部を逮捕

2021年6月4日(金)14時12分

中国の民主化運動が武力鎮圧された1989年の天安門事件から32周年となる4日、香港警察は追悼集会を主催してきた民主派団体の幹部、鄒幸タン氏を逮捕した。写真は北京の天安門広場。3日撮影(2021年 ロイター/Thomas Peter)

中国の民主化運動が武力鎮圧された1989年の天安門事件から32周年となる4日、香港警察は追悼集会を主催してきた民主派団体の幹部、鄒幸タン氏を逮捕した。

市内では数千人の警察官が集会を阻止するためパトロールするとみられている。

香港のビクトリア公園では毎年大規模な追悼集会が開かれてきたが、活動家らは言論・集会の自由が大幅に制限され、中国本土並みの厳しい統制に近づいていると指摘している。

鄒氏は香港市民愛国民主運動支援連合会(支連会)副主席。同連合会のメンバーはロイターに「彼女はビクトリア公園に行ってろうそくに火を付け追悼の意を表したかっただけだ」と述べた。逮捕は追悼集会に参加しようとしていた人々に恐怖心を与えることが狙いとの見方を示した。

香港警察幹部は鄒氏ら2人を無許可集会を宣伝した容疑で逮捕したことを確認した。

鄒氏は今週、6月4日は香港にとって「われわれが最低限の倫理観を守れるかどうか」のテストになると指摘し、「ろうそくに火を付けることが違法だと言われない限り火をともす」と語っていた。

追悼集会は2年連続で禁止されたが、警察は新型コロナウイルス感染を理由に挙げており、香港国家安全維持法に違反するか明らかにしていない。

林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は市民は法と中国共産党に従わなければならないと述べ、追悼集会について直接言及していない。

台湾の蔡英文総統は32年前に起きたことを台湾の人々は決して忘れないと話した。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・オーストラリアの島を買って住民の立ち入りを禁じた中国企業に怨嗟の声
・反日デモへつながった尖閣沖事件から10年 「特攻漁船」船長の意外すぎる末路



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

台湾の頼次期総統、20日の就任式で中国との「現状維

ワールド

イスラエル軍、ガザ北部で攻勢強化 米大統領補佐官が

ワールド

アングル:トランプ氏陣営、本選敗北に備え「異議申し

ビジネス

日本製鉄副会長が来週訪米、USスチール買収で働きか
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバいのか!?

  • 3

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイジェリアの少年」...経験した偏見と苦難、そして現在の夢

  • 4

    「まるでロイヤルツアー」...メーガン妃とヘンリー王…

  • 5

    時速160キロで走行...制御失ったテスラが宙を舞い、4…

  • 6

    チャールズ英国王、自身の「不気味」な肖像画を見た…

  • 7

    英供与車両から巨大な黒煙...ロシアのドローンが「貴…

  • 8

    日本とはどこが違う? 韓国ドラマのオリジナルサウン…

  • 9

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 10

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 1

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 2

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 3

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 6

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 7

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 8

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 9

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 10

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 4

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中