最新記事

仮想通貨

仮想通貨「億り人」が語る、市場予想、リスク、失敗する人の特徴

2021年2月5日(金)06時37分
藤田岳人(本誌記者)

peshkov/ISTOCK

<仮想通貨で7億円の資産を築いた「億り人」へのインタビュー後半。初心者へのアドバイスと、今後の見通し>

※インタビュー前半:「仮想通貨で7億円稼いだ『億り人』の意外な素顔と『成功の条件』」

今年1月に一時400万円を超える水準に達したビットコインをはじめ、暗号資産(仮想通貨)への注目が今また高まっている。2017年の「バブル」を彷彿させる状況だが、当時はその波に乗って億を超える資産を築いた「億り人」なる人々も話題となった。

そんな億り人たちは、その後の価格の急落や現在の再上昇をどう見ているのか。また暗号資産で巨額の利益を得た彼らはどんな人物で、どんな生活を送っているのか。現在の価値で約7億円の資産を暗号資産で築いたA氏に、本誌・藤田岳人が話を聞いた。

──資産額が大きいと、保管方法にも気をつかうのではないですか?
(インターネットに接続されておらず、ハッキングなどに対する安全性が高い)ハードウェアウォレットに半分くらい入っています。まったく手を付けていないものです。残り半分はパソコン上のウォレットに入れていますが、これはネットワークにもつながっているので、正直に言って「ざる」です。

リスクのある保管方法をしている理由は、DeFi関連で操作しなければならない分だからです。ハードウェアウォレットを使ってもできないことはないのですが、めんどくさくて......。

──知識や技術があっても、めんどくさいんですね。
そうなんです(笑)。

──暗号資産の話に戻りますが、ほかに最近注目されているものはありますか?
もう1つ、DeFiの世界の話ですが、流動性マイニングというものがあります。暗号資産の販売所を個人が行うイメージで、例えば自分が持っている暗号資産のETH(イーサリアム)とビットコインを「流動性プール」と呼ばれる場所に置き、そこで誰かがその通貨をトレードしてくれると報酬が得られるという仕組みです。

市場は大きくなってきているのですが、仕組みが非常に難しいので、実際に行っているのは業界の中でも技術に明るい一部の人が中心です。株など伝統的なトレードから暗号資産に入ってきた人などは、あまりDeFiには手を出していないようです。

DeFiは裏側の仕組みが本当に難しいこともあって、ポンジ・スキーム(投資詐欺の一種)もたくさんあります。明らかにポンジ・スキームだろうというものに日本人がたくさん集まっている姿も見かけます。よく調べないまま金利のよさに釣られ、大損する人もいます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

台湾の頼次期総統、20日の就任式で中国との「現状維

ワールド

イスラエル軍、ガザ北部で攻勢強化 米大統領補佐官が

ワールド

アングル:トランプ氏陣営、本選敗北に備え「異議申し

ビジネス

日本製鉄副会長が来週訪米、USスチール買収で働きか
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバいのか!?

  • 3

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイジェリアの少年」...経験した偏見と苦難、そして現在の夢

  • 4

    「まるでロイヤルツアー」...メーガン妃とヘンリー王…

  • 5

    時速160キロで走行...制御失ったテスラが宙を舞い、4…

  • 6

    チャールズ英国王、自身の「不気味」な肖像画を見た…

  • 7

    英供与車両から巨大な黒煙...ロシアのドローンが「貴…

  • 8

    日本とはどこが違う? 韓国ドラマのオリジナルサウン…

  • 9

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 10

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 1

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 2

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 3

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 6

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 7

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 8

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 9

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 10

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 4

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中