最新記事

ニューズウィークが見た「平成」1989-2019

平成の日本:「新しい不平等」の受け入れと、無関心の仮面の下に見たもの

What Heisei Meant to Me

2019年4月12日(金)17時20分
デーナ・ルイス(ジャーナリスト)

米ニューズウィークは1993年6月にアメリカのレズビアンを特集した。日本版として記事を追加することになり、私は東京の抹茶カフェで、快活な若い女性に取材した。彼女は職場では同性愛者であることを隠していて、しつこく予定を聞いてくる男性に、今夜は「ボーイフレンド」に会うと言っていた。ほかにもカミングアウトをしている勇敢な活動家たちに話を聞いて、平成の無関心な仮面の下は、私が思っている以上に沸き立っていると知った。

最近、私は再び東京で暮らしている。若者に個人主義が浸透し、NPOやシェアオフィスが急増して、地元の図書館では高齢のボランティアが外国人に日本語を教えている。

本誌で過ごした日々を振り返ってみれば、平成は私にとって素晴らしい時代だった。しかし今、私は昭和の終わりにも感じたように、日本の未来に困惑している。あまりに多くの混乱と、あまりに多くの変化。理解する唯一の方法は、中に飛び込んで、取材し、分析して、書くことだ。

ニューズウィーク日本版が日本の未来をどのように伝えていくか、私は楽しみにしている。

<「ニューズウィークが見た『平成』1989-2019」掲載>

「ニューズウィークが見た『平成』1989-2019」書き下ろしコラム
長岡義博:平成は日本人に「無常」を教えた──バブル崩壊から原発事故、そして次の「非常識」
ピーター・タスカ:失われた20年に「起きなかったこと」に驚く──平成は日本を鍛え上げた時代
コリン・ジョイス:国技館で天皇を見た、平成は立派で前向きな時代だった
ビル・パウエル:去りゆく象徴、善良なる男性、平成日本の「普通の天皇」

※詳しくは「ニューズウィークが見た『平成』1989-2019」をご覧ください。

20240611issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年6月11日号(6月4日発売)は「ウクライナの日本人」特集。義勇兵、ボランティア、長期の在住者……銃弾が飛び交う異国に日本人が滞在し続ける理由

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

トルコCPI、5月は前年比+75.45% 「最悪期

ビジネス

トヨタ・ホンダ・マツダなど5社が認証不正、対象車の

ビジネス

三井物、パパス・メンズビギなど展開のビギHDを完全

ビジネス

ユーロ圏製造業PMI、5月改定47.3 難局脱した
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:イラン大統領墜落死の衝撃
特集:イラン大統領墜落死の衝撃
2024年6月 4日号(5/28発売)

強硬派・ライシ大統領の突然の死はイスラム神権政治と中東の戦争をこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ウクライナ水上ドローンが、ヘリからの機銃掃射を「回避」してロシア黒海艦隊に突撃する緊迫の瞬間

  • 2

    キャサリン妃「お気に入りブランド」廃業の衝撃...「肖像画ドレス」で歴史に名を刻んだ、プリンセス御用達

  • 3

    テイラー・スウィフトの大胆「肌見せ」ドレス写真...すごすぎる日焼けあとが「痛そう」「ひどい」と話題に

  • 4

    「自閉症をポジティブに語ろう」の風潮はつらい...母…

  • 5

    1日のうち「立つ」と「座る」どっちが多いと健康的?…

  • 6

    ウクライナ「水上ドローン」が、ロシア黒海艦隊の「…

  • 7

    ヘンリー王子とメーガン妃の「ナイジェリア旅行」...…

  • 8

    「娘を見て!」「ひどい母親」 ケリー・ピケ、自分の…

  • 9

    中国海外留学生「借金踏み倒し=愛国活動」のありえ…

  • 10

    「みっともない!」 中東を訪問したプーチンとドイツ…

  • 1

    ウクライナ水上ドローンが、ヘリからの機銃掃射を「回避」してロシア黒海艦隊に突撃する緊迫の瞬間

  • 2

    キャサリン妃「お気に入りブランド」廃業の衝撃...「肖像画ドレス」で歴史に名を刻んだ、プリンセス御用達

  • 3

    中国海軍「ドローン専用空母」が革命的すぎる...ゲームチェンジャーに?

  • 4

    自爆ドローンが、ロシア兵に「突撃」する瞬間映像を…

  • 5

    ハイマースに次ぐウクライナ軍の強い味方、長射程で…

  • 6

    仕事量も給料も減らさない「週4勤務」移行、アメリカ…

  • 7

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発…

  • 8

    都知事選の候補者は東京の2つの課題から逃げるな

  • 9

    テイラー・スウィフトの大胆「肌見せ」ドレス写真...…

  • 10

    「自閉症をポジティブに語ろう」の風潮はつらい...母…

  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 3

    ウクライナ水上ドローンが、ヘリからの機銃掃射を「回避」してロシア黒海艦隊に突撃する緊迫の瞬間

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 7

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 8

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中