最新記事

ハッカー

サイバーテロが浮き彫りにしたIoT時代のネットセキュリティ

2016年10月28日(金)18時15分
ライアン・マシュー・ピアソン ReadWrite[日本版]編集部

 (c) ReadWrite[日本版]編集部

<先週金曜日、Amazon、Twitter、Netflixといったネット界のトップブランドが利用するDNSプロバイダーを狙ったサイバーテロが発生した。ネット関係者が注目したのは、攻撃の踏み台に使われたのが、PCやサーバではなくスマート家電などのIoTデバイスだったことだ>


 IoTという新たな世界の誕生により、これまでとはまったく異なる類の問題が発生している。シンプルに使えるものを、どうすれば安全にできるだろうか? シンプルさとセキュリティは、おいそれと両立できるものではない。

 ドメインネーム・システム(以下DNS)プロバイダのDynを対象にした大規模なDDoS攻撃の発生を受け、ネットワーク管理者たちは、「脆弱性を抱えたIoTデバイスから自分たちのネットワークをどう守るか」という問題に取り組んでいる。

 先週の金曜日、インターネットにおける重要な箇所めがけてDDoS攻撃が仕掛けられた。DNSは、インターネット上のドメイン名を管理しており、特定のサーバにトラフィックを誘導できる。ドメイン名やホスト名と、それに対応するIPアドレスなどの情報を記録・管理する世界規模の分散型データベースだ。

 このDNSになにか問題が起これば、ブラウザなどネット上のサイト(システム)が情報を取りにいくべきサーバの特定が難しくなる。というのも、あまりに多くのWebサイトがDynにトラフィック情報を依存しており、ここが攻撃を受けてしまうと同時に多くのWebサイトに障害が起こるためだ。

 つまり、Dynを潰してしまえば、攻撃者(今回はNew World Hackersと呼ばれるグループと目されている)は、一度にネット上の著名なサイトを一度にダウンさせることができるのだ。そういったサイトには、Amazon、Twitter、Reddit、Netflixなどが含まれる。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ECB、追加利下げ前に数回の理事会で金利据え置く可

ビジネス

米消費者、1年先インフレ期待低下 5年先は上昇=N

ワールド

ロシア軍機がフィンランド領空侵犯の疑い、フィンラン

ワールド

フランス、極右躍進の影響見極めへ 解散総選挙の決定
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:姿なき侵略者 中国
特集:姿なき侵略者 中国
2024年6月18日号(6/11発売)

アメリカの「裏庭」カリブ海のリゾート地やニューヨークで影響力工作を拡大する中国の深謀遠慮

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    認知症の予防や脳の老化防止に効果的な食材は何か...? 史上最強の抗酸化物質を多く含むあの魚

  • 2

    堅い「甲羅」がご自慢のロシア亀戦車...兵士の「うっかり」でウクライナのドローン突撃を許し大爆発する映像

  • 3

    カラスは「数を声に出して数えられる」ことが明らかに ヒト以外で確認されたのは初めて

  • 4

    公園で子供を遊ばせていた母親が「危険すぎる瞬間」…

  • 5

    我先にと逃げ出す兵士たち...ブラッドレー歩兵戦闘車…

  • 6

    フランス人記者が見た日本の「離婚後共同親権」が危…

  • 7

    メディアで「大胆すぎる」ショットを披露した米大物…

  • 8

    良い大学を出て立派な職業に就いても「幸せとは限ら…

  • 9

    ロシア軍が「警戒を弱める」タイミングを狙い撃ち...…

  • 10

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発…

  • 1

    ラスベガスで目撃された「宇宙人」の正体とは? 驚愕の映像が話題に

  • 2

    「世界最年少の王妃」ブータンのジェツン・ペマ王妃が34歳の誕生日を愛娘と祝う...公式写真が話題に

  • 3

    我先にと逃げ出す兵士たち...ブラッドレー歩兵戦闘車が、平原進むロシアの装甲車2台を「爆破」する決定的瞬間

  • 4

    認知症の予防や脳の老化防止に効果的な食材は何か...…

  • 5

    カラスは「数を声に出して数えられる」ことが明らか…

  • 6

    「サルミアッキ」猫の秘密...遺伝子変異が生んだ新た…

  • 7

    アメリカで話題、意識高い系へのカウンター「贅沢品…

  • 8

    堅い「甲羅」がご自慢のロシア亀戦車...兵士の「うっ…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃の「マタニティ姿」が美しす…

  • 10

    ウクライナ水上ドローンが、ヘリからの機銃掃射を「…

  • 1

    ラスベガスで目撃された「宇宙人」の正体とは? 驚愕の映像が話題に

  • 2

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 3

    ウクライナ水上ドローンが、ヘリからの機銃掃射を「回避」してロシア黒海艦隊に突撃する緊迫の瞬間

  • 4

    「世界最年少の王妃」ブータンのジェツン・ペマ王妃が…

  • 5

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 6

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃の「マタニティ姿」が美しす…

  • 7

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 8

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 9

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発…

  • 10

    我先にと逃げ出す兵士たち...ブラッドレー歩兵戦闘車…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中