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NYテロ未遂

米主要都市狙うパキスタン・タリバン運動

2010年5月12日(水)14時41分
マーク・ホーゼンボール(ワシントン支局)

 5月1日、ニューヨークで爆発物を積んだ車が発見された。アフガニスタンの反政府勢力タリバンの情報筋が語ったところによると、この事件の背景には昨年8月にパキスタン・タリバン運動(TTP)の指導者を殺害し、今年1月にその後継者ハキムラ・メフスードに重傷を負わせた米軍に対するTTPの憎悪がある。

 メフスードは負傷直後から姿をくらませていたが、これは安全確保と派手なカムバックを狙った行動だったと、前出の情報筋は言う。「彼が望んでいたのは米国内での爆弾テロの成功と同時に自分の復活を発表することだった」

 実際、テロ未遂騒動と同時にメフスードはネット上の動画で健在をアピール。続いて公開された動画では、テロ計画を示唆する赤い目印が付いたアメリカの地図の横に立ち、「数日か数週間以内に吉報が流れるだろう。米主要都市への攻撃の時は近い」と語った。

 米当局は今回の事件の容疑者ファイサル・シャザドとTTPの関係を疑っている。「TTPは米国内で複数のテロを計画中だと聞いた」と前出の情報筋は言う。「彼の事件はその1つかもしれない」

 だが情報筋は、シャザドのパキスタンでの訓練期間はそう長くなかったとみている。「爆弾が実にお粗末だった」からだ。

[2010年5月19日号掲載]

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