レディー・ガガも闘った──『スター誕生』主演の歌姫3人が乗り越えた過去の自分
レディー・ガガは学生時代に凄惨ないじめを経験
俳優のブラッドリー・クーパーが監督/主演する最新版の『アリー/スター誕生』は、それぞれの時代を代表する歌姫が演じてきた役を、レディー・ガガがどう表現するかに注目が集まっている。
ブラッドリー・クーパーがロサンゼルス・タイムス紙のインタビューで明かしたことによると、監督はガガに対して作中でのノーメイクを要求。ガガはリップクリームとエリザベスアーデンのエイトアワークリームだけをつけて撮影に挑んだという。
「そうすることで、役に入り込むことができた。私が演じたキャラクターが、自分のことをどれだけ醜いかを語るシーンで、本当に自分が醜いと感じることできたの。(素顔を晒すことを)とても不安に思ったわ。人にはありのままの自分でいるべきと言っていても、必ずしも自分が守れているわけじゃないの」とガガは語った。素顔で演じた場面ではキャラクターの感情がガガ自身の感情かのようにリアルに迫ってくる。
9月9日、トロント国際映画祭のレッドカーペットで、ガガは米エンタテイメント情報媒体「ヴァラエティ」のインタビューに応じ、今回の役柄に過去の自分を投影したことを明かしている。
「この映画の自分を目にしたとき、若かった頃の自分を思い出したの。その当時の私は自分自身を信じていなくて、学校ではいじめにあっていたわ。自分のことを醜いと思い込んでもいた。唯一の逃げ場は音楽だったから、私は歌うことや作曲、演技に集中することにしたの。すべてはあらゆる痛みから逃げるためよ。小さなステファニー(注:レディー・ガガの本名)は今ではとても謙虚なの。彼女は今の状況をとても驚いているわ」
深く刻み込まれた痛みと苦しみを、アリーという役柄を通じて放出させた、ガガの絶叫に近い歌声を、『アリー/スター誕生』でじっくり聴きたい。