最新記事

サッカー

サッカー選手はなぜ「スポーツブラ」を着けている?

A Sports Bra for Dudes?

2022年12月19日(月)19時25分
ダン・コイス

ところが、サッカーでは逆にロングシュートが減った。得点になりにくいことが分かったためだ。

「データ分析担当者が『どうしてそんなに遠くから打つんだ? ゴールになる確率はたった2%だぞ!』と言い始めたからだ」と、MLS(米メジャーリーグ・サッカー)所属チームのあるデータ担当者は科学誌ネイチャーに語っている(サッカーでもペナルティーエリア外から打ったシュートが決まったら、ボーナスポイントを加味して1.5点を与えるべきだろう)。

だがサッカーにおけるデータ収集の主な目的は、「この選手は試合中にどれだけ走っているか」というシンプルな問いに答えることだ。

GPSベストで集めた走行距離などのデータは、練習の進め方を考え、けがを予防するのに役立つ。しかし、試合中に選手がどれだけ熱くなっているかを測るのにも役立っている。

例えばW杯アメリカ代表のミッドフィルダー、ブレンデン・アーロンソンは、敵に回すと実に厄介な選手に見えた。どんなボールでも追いかけるし、休む間もなく相手選手にプレスをかけ続ける。

アーロンソンの熱いプレーの証拠は、しっかりデータに刻まれている。

イングランド・プレミアリーグのリーズに所属する彼は、10月30日の強豪リバプールとの試合で13.2キロの走行距離を記録し、2-1の勝利に貢献した。この数字は、今季のプレミアリーグの最長記録だ。

GPSベストについては、発売元のカタパルト・スポーツのサイトを見ると、より理解が深まるだろう。例えば、こんなQ&Aがある。

Q:GPSベストはプロ選手だけでなく、次の段階への成長を目指すアマチュア選手にも役立ちますか?

A:もちろん、必ず役立つことでしょう。

アマチュアの男子サッカー選手もこぞって「スポーツブラ」を着ける日が、そこまで来ているのかもしれない。

©2022 The Slate Group

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米大統領選、バイデン氏とトランプ氏の支持拮抗 第3

ビジネス

大手3銀の今期純利益3.3兆円、最高益更新へ 資金

ワールド

ニューカレドニアの暴動で3人死亡、仏議会の選挙制度

ワールド

今年のユーロ圏成長率、欧州委は2月の予想維持 物価
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少子化の本当の理由【アニメで解説】

  • 2

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダブルの「大合唱」

  • 3

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史も「韻」を踏む

  • 4

    アメリカからの武器援助を勘定に入れていない?プー…

  • 5

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 6

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 7

    ロシア国営企業の「赤字が止まらない」...20%も買い…

  • 8

    英供与車両から巨大な黒煙...ロシアのドローンが「貴…

  • 9

    ユーロビジョン決勝、イスラエル歌手の登場に生中継…

  • 10

    「ゼレンスキー暗殺計画」はプーチンへの「贈り物」…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 6

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 7

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 10

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中