最新記事
セレブ

請求書には「ドナルド・ジャッド風」と明記...キム・カーダシアン、模倣作品を「本物」と紹介した動画で訴えられる

2024年4月1日(月)13時50分
千歳香奈子
キム・カーダシアン

キム・カーダシアン(2023年4月、ニューヨーク) lev radin-Shutterstock

<2022年に公開され、現在は削除されている問題の動画で「これらのドナルド・ジャッドのテーブルは本当に素晴らしい」などと語るも、低品質な偽物だったことが判明。財団の会長でドナルドの娘であるレイナー・ジャッドは声明でキムを非難した>

ゴシップクイーンとして常にメディアの注目を集めるキム・カーダシアンが、2年前に投稿したYouTube動画の中で著名アーティストの模倣作品を「本物」として宣伝したとして3月27日に提訴された。

●模倣作品を「ドナルド・ジャッドの作品」と紹介したキム・カーダシアンの2年前の問題映像

ことの発端は2022年に下着ブランドSKIMSやコスメブランドSKKN BY KIMを展開するキムが、自身のオフィスを紹介するツアー動画を公開したこと。その中でキムは、「ミニマル・アート」の先駆者として知られる故ドナルド・ジャッドの作品だとして自慢の大きな木製テーブルセットを紹介していたが、実際にはこれが偽物だったとしてドナルド・ジャッド財団から訴えられたのだ。

問題の動画はすでに削除されているが、キムは「これらのドナルド・ジャッドのテーブルは本当に素晴らしい」「椅子はテーブルに完全に溶け込んでいる」と語り、シンプルなフォームの天才と称賛されているなどと紹介していた。

しかし、このテーブルはキム自身がインテリアデザイン会社クレメンツ・デザインに制作を依頼した低品質な偽物だったことが判明。最初に報じたニューヨーク・タイムズ紙によると、同財団はクレメンツ・デザインとキムを、商標と著作権の侵害で訴えたという。

「ドナルド・ジャッド風」と明記された請求書のコピーも

カリフォルニア州連邦裁判所に提出された訴状で同財団は、キムが虚偽の推薦をしたと主張。「(動画を見た)消費者は、ジャッド財団とドナルド・ジャッドのブランドがカーダシアンと関係がある、または提携している、あるいはスポンサーもしくは支持していると信じる可能性が高い」と述べている。また、財団は顧客が購入した家具をマーケティングやプロモーション目的で使用することを断固禁じているとも説明している。

1994年に亡くなったドナルドは、過度な装飾を省いて最小限の要素で本質を表現することで知られ、作品はニューヨーク近代美術館やロンドンのテートモダン美術館などでも展示されている。

財団の会長でドナルドの娘であるレイナー・ジャッドは声明で、「本物ではない家具が存在すると、オリジナル作品の完全性が損なわれる」と述べ、キムを非難。一方のクレメンツ・デザイン側は、訴訟は不意打ちだったと述べ、「明らかな重要な相違がある」と反論している。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:アルゼンチン止まらぬ物価高、隣国の町もゴ

ビジネス

アングル:肥満症薬に熱視線、30年代初頭までに世界

ワールド

イスラエル、新休戦案を提示 米大統領が発表 ハマス

ビジネス

米国株式市場=ダウ急反発、574ドル高 インフレ指
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:イラン大統領墜落死の衝撃
特集:イラン大統領墜落死の衝撃
2024年6月 4日号(5/28発売)

強硬派・ライシ大統領の突然の死はイスラム神権政治と中東の戦争をこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    F-16はまだか?スウェーデン製グリペン戦闘機の引き渡しも一時停止に

  • 2

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入、強烈な爆発で「木端微塵」に...ウクライナが映像公開

  • 3

    「ポリコレ」ディズニーに猛反発...保守派が制作する、もう1つの『白雪姫』とは

  • 4

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発…

  • 5

    インドで「性暴力を受けた」、旅行者の告発が相次ぐ.…

  • 6

    「人間の密輸」に手を染める10代がアメリカで急増...…

  • 7

    ロシアT-90戦車を大破させたウクライナ軍ドローン「…

  • 8

    「集中力続かない」「ミスが増えた」...メンタル不調…

  • 9

    自爆ドローンが、ロシア兵に「突撃」する瞬間映像を…

  • 10

    米女性の「日焼け」の形に、米ネットユーザーが大騒…

  • 1

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発」で吹き飛ばされる...ウクライナが動画を公開

  • 2

    自爆ドローンが、ロシア兵に「突撃」する瞬間映像をウクライナが公開...シャベルで応戦するも避けきれず

  • 3

    「なぜ彼と結婚したか分かるでしょ?」...メーガン妃がのろけた「結婚の決め手」とは

  • 4

    中国海軍「ドローン専用空母」が革命的すぎる...ゲー…

  • 5

    ハイマースに次ぐウクライナ軍の強い味方、長射程で…

  • 6

    仕事量も給料も減らさない「週4勤務」移行、アメリカ…

  • 7

    都知事選の候補者は東京の2つの課題から逃げるな

  • 8

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 9

    少子化が深刻化しているのは、もしかしてこれも理由?

  • 10

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 3

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 4

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 5

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 6

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 7

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発…

  • 8

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 9

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

  • 10

    自爆ドローンが、ロシア兵に「突撃」する瞬間映像を…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中