最新記事
韓国

韓国18禁ドラマ「ピラミッドゲーム」めぐり学校内でいじめが...... 教育庁が家庭通信で注意喚起

2024年3月26日(火)21時30分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
韓国ドラマ『ピラミッドゲーム』より

いじめを描いた内容が実際の学校で模倣されていると問題になったドラマ『ピラミッドゲーム』 TVING / YouTube

<女子高版イカゲームといえるドラマがいじめを誘発?>

ネットフリックスやDisney+などの動画配信サービスで世界的に人気の韓国ドラマだが、なかには刺激的な内容が議論を呼ぶ作品も少なくない。そんな18禁指定の過激なドラマが、リアルな世界に悪影響を及ぼしたとして、問題になっている。韓国メディアNEWSIS、YTNなどが報じた。

問題になったドラマは韓国の動画配信サービスTVINGのオリジナルドラマ『ピラミッドゲーム』。全10話で製作され、2月29日から3月21日まで配信された学園ドラマだ。日本でもLINEマンガで配信されている同名の人気ウェブトゥーン(WEBマンガ)が原作で、女子生徒たちが毎月最終木曜日の5時間目、互いに投票してA〜Fまでの階級を決め、下位になった生徒たちは教室の清掃、給食などをやらされるいじめ対象になる。

これまでにもいじめ問題や校内暴力を扱ったドラマはあったが、この『ピラミッドゲーム』では民主的な投票でいじめの対象を決めるという点が独創的で注目を集めた。また、出演者として人気K-POPアイドルグループ宇宙少女のボナが主演することや、IVEのチャン・ウニョンの実姉チャン・ダアがこの作品で女優デビューするといったことでも話題となった。

【動画】韓国18禁ドラマ「ピラミッドゲーム」

刺激的な内容で海外でも人気に

衝撃的な設定に加えて、映像化にあたって原作以上に刺激的な内容になっているため韓国では18才以下観覧不可という扱いで配信されたドラマだが、「社会の縮小版」のような教室で繰り広げられる女子高生たちの階級ゲームは「韓国のハイティーンの現実を赤裸々に投影し共感を得た」と評価された。また物語が最終的に、生徒たち自らの意志で残酷なサバイバル闘争を止めた点について、「校内暴力に対する警戒心を目覚めさせた」という評価を受けた。

こういった反応を裏付けるように配信元のTVINGは「『ピラミッドゲーム』最終回が公開された後、TVING週間有料加入機会数1位を記録した」と発表した。それによるとTVINGの先月の月間アクティブユーザー(MAU)は661万人で、過去最大水準を記録。 日別のアクティブユーザー(DAU)も歴代最大水準の165万人に達し、MAUとDAUはいずれも1月から2ヵ月連続で最大記録を更新したという。また、インドネシア、シンガポールでの動画配信サービスでもランキング2位に入る人気となった。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

EXCLUSIVE-米台の海軍、4月に非公表で合同

ビジネス

米4月PPI、前月比0.5%上昇と予想以上に加速 

ビジネス

中国テンセント、第1四半期は予想上回る6%増収 広

ワールド

ロシア大統領府人事、プーチン氏側近パトルシェフ氏を
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少子化の本当の理由【アニメで解説】

  • 2

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダブルの「大合唱」

  • 3

    アメリカからの武器援助を勘定に入れていない?プーチンの危険なハルキウ攻勢

  • 4

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 5

    英供与車両から巨大な黒煙...ロシアのドローンが「貴…

  • 6

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 7

    ユーロビジョン決勝、イスラエル歌手の登場に生中継…

  • 8

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 9

    「ゼレンスキー暗殺計画」はプーチンへの「贈り物」…

  • 10

    ロシア国営企業の「赤字が止まらない」...20%も買い…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 4

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 5

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 6

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 9

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 10

    ウクライナ防空の切り札「機関銃ドローン」、米追加…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中