最新記事

映画

ついにスパイダーマンの世界に殴り込み? 『ヴェノム』最新作が示す「宇宙」の未来

MCU: Let There Be Change

2021年12月2日(木)17時07分
ジュリア・アレクサンダー
『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』

『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』 SONY PICTURES-SLATE

<「ヴェノム」とスパイダーマンがいよいよ共演? 群雄割拠のスーパーヒーロー帝国で新たな章が始まるのか>

シリーズ第2弾『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』のエンドロール後に流れるシーンは、マーベル映画によくある続編への布石とは違う。次はどうなるかをにおわすのではなく、私たちにこんな疑問を持たせる──いったい何が起きるのか(以下、ネタバレあり)。

エディ・ブロック(トム・ハーディ)と相棒のヴェノムは宿敵カーネイジ(ウディ・ハレルソン)を倒し、テレビを見ながらくつろいでいる。エディは自分に寄生した地球外生命体のヴェノムに、まだ秘密があるのではないかと尋ねる。

ヴェノムが、共生生物のネットワークを通じて複数の宇宙がつながっていることを説明しようとしたとき、部屋が鮮やかな黄色い光に包まれる。テレビがニュースに切り替わり、「スパイダーマン」でおなじみのデイリー・ビューグル紙のJ・ジョナ・ジェイムソンがピーター・パーカー(スパイダーマン)について語り始める。だが画面に映るスパイダーマンは、トビー・マグワイアでもアンドリュー・ガーフィールドでもない。最新シリーズのトム・ホランドだ。

スーパーヒーロー世界のユニバース化

スーパーヒーロー映画の世界は「ユニバース化」が進んでいる。さまざまな作品の世界観がつながって宇宙(ユニバース)を共有しているというコンセプトで、物語の枠を超えてキャラクターが共演。クロスオーバー作品が数多く誕生している。

マーベル映画で展開されている宇宙は2つ。「キャプテン・アメリカ」や「アイアンマン」を擁するマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)と、ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース(SSU)だ。

だからマーベルのファンは、あの場面に息をのんだ。SSUの「ヴェノム」の主人公たちがホランド版のピーターを見ているということは、MCUシリーズ第3弾『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(日本公開は来年1月7日)に、ヴェノムが登場する可能性があるのだろうか?

MCUとSSUのクロスオーバーが、ついに実現するのか。

『ノー・ウェイ・ホーム』は、前作の最後で正体を暴露されたピーターがドクター・ストレンジに時間を巻き戻してほしいと頼み、その過程で時空の連続体が壊れてしまう。『レット・ゼア・ビー・カーネイジ』の最後のあの黄色い光は、時空の扉が開いたという意味なのだろうか。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

インド10月貿易赤字、過去最高の416.8億ドル 

ビジネス

原油先物が下落、ロシアが主要港で石油積み込み再開

ワールド

独仏両国、次世代戦闘機の共同開発中止に向けて協議=

ワールド

トランプ氏、マクドナルドのイベントで演説 インフレ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    悪化する日中関係 悪いのは高市首相か、それとも中国か
  • 3
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地「芦屋・六麓荘」でいま何が起こっているか
  • 4
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    山本由伸が変えた「常識」──メジャーを揺るがせた235…
  • 7
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 8
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 9
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 10
    経営・管理ビザの値上げで、中国人の「日本夢」が消…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 7
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 8
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 9
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地…
  • 10
    ヒトの脳に似た構造を持つ「全身が脳」の海洋生物...…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中