最新記事

メンタルヘルス

あなたが思う正しさが目の前で否定されているとき、あなたは怒りを感じる

2022年7月14日(木)16時15分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
怒れない人

fizkes-iStock.

<怒ることのメリット、そして「アンガーマネジメント」は誤解が多い。怒りとは、そもそも何なのか>

「怒りは、自分の大切なものを守るためにある感情」――と言うのは、アンガーマネジメントの日本の第一人者である日本アンガーマネジメント協会代表理事、安藤俊介氏。

「アンガーマネジメント」という言葉はすでに市民権を得ているが、怒りっぽい人に必要なものという一般的なイメージと異なり、うまく怒れない人にも役立つものだという。

つまり、「怒りと上手に付き合うメソッド」というわけだ。

安藤氏はこのたび、『タイプ別 怒れない私のためのきちんと怒る練習帳』(CCCメディアハウス)を出版した。

怒れない人を6つのタイプに分類し、「人と比べられたら」「マウントをとられたら」「すぐに謝っちゃうときは」など、34のケース別に「怒り方」の選択肢を提示。

本書から3回に分け、抜粋するシリーズの第2回。怒ることのメリットとして一般的に挙げられることにも、大きな誤りがあるという。

※第1回はこちら:怒りは自分を守る盾。「怒れない人」にこそ必要なアンガーマネジメントの極意

◇ ◇ ◇

怒ることの「メリット」とは?

一般的に怒ることのメリットとして挙げられるのは、「ストレス発散になる」「すっきりする」「相手をコントロールできる」などです。しかし、これらは正しいメリットとは言えません。なぜなら、お互いにとって健全なものとは言えないからです。

怒ることでストレス発散する人は、ストレスが溜まれば溜まるほど強く怒ります。怒ってすっきりする人は、すっきりしたいから怒ります。怒って相手をコントロールする人は、未熟でわがままなだけです。

では、怒ることの正しいメリットとは何でしょうか。

先にも述べた通り、怒りは大切なものを守るために備わっている感情です。大切なものを守れるというのはつまり、考え方や価値観が否定されなくなったり、立場が悪くなるのを防げたり、嫌なことや面倒なことを押し付けられなくなったりする、ということです。効果的に怒ることは、自分のことをバカにしたり、軽く扱ったり、貶めようとしたりする人たちから自分を守る盾になるのです。

ただ、モヤモヤしてしまうことの多いあなたは、大切なものを守ろうと怒りを生み出すことには成功しているものの、怒ることによって得られるメリットを最大限には受け取れていません。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米経済、「信じられないほど」力強い=JPモルガンC

ワールド

北朝鮮、圧倒的な軍事力構築を継続へ─金与正氏=KC

ビジネス

米ビザ、四半期利益が予想上回る 堅調な消費動向で 

ビジネス

米国株式市場=続伸、マグニフィセント7などの決算に
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 2

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の「爆弾発言」が怖すぎる

  • 3

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 4

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 5

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 6

    「なんという爆発...」ウクライナの大規模ドローン攻…

  • 7

    イランのイスラエル攻撃でアラブ諸国がまさかのイス…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 10

    ロシア、NATOとの大規模紛争に備えてフィンランド国…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 7

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 10

    ダイヤモンドバックスの試合中、自席の前を横切る子…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中