最新記事
日本製鉄

日鉄がUSスチールの買収完了、米政府が黄金株保有...「国家安全保障と経済安全保障が守られる」

2025年6月19日(木)15時35分
日鉄のロゴ。千葉県君津市にて

日本製鉄と米USスチールは18日、 日製によるUSスチールの買収手続きが完了したと発表した。写真は5月26日、千葉県君津市で撮影(2025年 ロイター/Issei Kato)

日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収が18日、完了した。両社が日本時間同日発表した。経済安全保障への影響を懸念する米政府が、USスチールの黄金株を保有するなどして重要な決定事項に関与する。

日鉄は買収金額141億ドル(約2兆円)の払い込みを終えた。今年度は7月からの9カ月分を連結業績に反映する。日鉄はグループの年間粗鋼生産能力が8600万トンに達し、グローバル粗鋼生産能力1億トンという目標に近付くことになる。


日鉄は買収資金を支払うに当たって銀行からつなぎ融資2兆円を調達した。有利子負債が自己資本の何倍かを示す負債資本倍率(D/Eレシオ)は、25年3月期末の0.35倍から0.8倍程度へ上昇。9月に一部資本性のある円建てローンで5000億円を調達するなどし、年度末までに0.7倍台へ下げる。その後、長期資金への切り替えや資産圧縮などで中期経営計画目標の0.7倍以下へ早期に抑える。

日鉄は19日午前10時から、橋本英二会長兼最高経営責任者(CEO)と森高弘副会長が記者会見を開く。

 トランプ米政権は6月14日に買収を承認。日鉄は米政府との間で国家安全保障協定(NSA)を結ぶとともに、USスチールは米政府に黄金株1株を発行することとした。米政府はUSスチールの独立取締役1名の選任権やコミットした設備投資の削減、米国内の競合事業の重要な買収などに一定の権利を有することになる。

対談
為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 セカンドキャリアの前に「考えるべき」こととは?
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米大手6銀行、第3四半期の配当金引き上げ計画を発表

ワールド

トランプ氏、フロリダの不法移民収容施設「ワニのアル

ビジネス

サンタンデールが英銀TSB買収、預金残高で英3位の

ワールド

イスラエル、60日間のガザ停戦確定に必要な条件に同
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた発見の瞬間とは
  • 2
    ワニに襲われ女性が死亡...カヌー転覆後に水中へ引きずり込まれる
  • 3
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。2位は「身を乗り出す」。では、1位は?
  • 4
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 5
    砂浜で見かけても、絶対に触らないで! 覚えておくべ…
  • 6
    世紀の派手婚も、ベゾスにとっては普通の家庭がスニ…
  • 7
    あり?なし? 夫の目の前で共演者と...スカーレット…
  • 8
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    未来の戦争に「アイアンマン」が参戦?両手から気流…
  • 1
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門家が語る戦略爆撃機の「内側」と「実力」
  • 4
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた…
  • 5
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 6
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 7
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 8
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 9
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉…
  • 10
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 6
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 7
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 8
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中