最新記事
キャリア

問題は「AIに奪われる仕事は何か」ではない! 一生稼ぎ続けられる「π型人材2.0」になるためのステップ

2024年3月1日(金)17時26分
flier編集部

240228fl_ris01.jpg

ご著書『AI時代を生き抜くということ』

──「π型人材2.0」になるための「LEARN+Aステップ」の肝は何ですか。

まず「π型人材2.0」とは何かというと、強みとなる専門分野を複数持ち、それらをつなぐ広い視野を備えている人を意味します。それをさらに進化させて、自分のスキル(ドメインスキル)に相乗効果をもたらすような新たなスキル(スパイクスキル)を掛け合わせ、統合していく。これを継続している人材を「π型人材2.0」と名づけました。

「π型人材2.0」に向けてスキルを身につけるステップが「LEARN+A」ステップです。図にあるように、Let go(前提条件を手放す)、Evaluate(スキルセットを評価する)、Analyze(選択肢を分析する)、Roll out(リスキリングを実行する)、Negotiate(リスキリング後に大事な条件を交渉する)という5つのステップから成り、最後のAはAssociative Thinking(ドメインスキルとスパイクスキルを統合する力)にあたります。

どのステップも大事ですが、あえていえば2番目のステップEvaluateと、最後のAssociative Thinkingが特に大事。Evaluateは、自分のスキルセットを可視化して、評価するステップ。自分の役職やプロジェクトの名称は言葉にできても、培ってきたスキルを言語化するのはなかなか難しいものです。こうしたスキルセットをリスト化していくときにおすすめなのが、ChatGPTの活用です。

ChatGPTに「自分のドメインスキルを棚卸しするプロンプト」とともに、過去の役職や職歴、条件を入れると、ChatGPTがドメインスキルを出力してくれます。プロンプトの具体例は本書に譲りますが、試した方からは、「自分はこんなスキルを身につけていたのか」という声をよく聞きますね。驚くような結果が出ることもあるようです。

──文字になってはじめて気づくことがあるのですね。

転職活動の予定がなくても、定期的に職務経歴書のアップデートをするのをおすすめします。3か月に一度か半年に一度、自分を客観視したときのアピールポイントや評価される点を考えてみることができるのです。

ポイントは、自分のウリが相手にイメージしてもらいやすいこと。ダイレクトリクルーティングでは、企業側がデータベースの中から、自社の求める人材のスキルセットの単語を検索し、その検索ワードに引っかかった人の職務履歴書が出てくる。なので、自分のスキルセットを「タグづけしやすい形」でまとめておくことが大事になります。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

大和証券Gとかんぽ生命、資産運用分野で資本業務提携

ワールド

インド卸売物価、4月は前年比+1.26% 1年ぶり

ビジネス

米ウーバー、独デリバリー・ヒーローの台湾事業買収 

ワールド

インフレ抑制に「全力尽くす」、引き締め維持=トルコ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少子化の本当の理由【アニメで解説】

  • 2

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダブルの「大合唱」

  • 3

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史も「韻」を踏む

  • 4

    アメリカからの武器援助を勘定に入れていない?プー…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 7

    英供与車両から巨大な黒煙...ロシアのドローンが「貴…

  • 8

    ロシア国営企業の「赤字が止まらない」...20%も買い…

  • 9

    ユーロビジョン決勝、イスラエル歌手の登場に生中継…

  • 10

    「ゼレンスキー暗殺計画」はプーチンへの「贈り物」…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 6

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 7

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 10

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中