最新記事
水産業

日本の水産物が海外バイヤーから注目を浴びる理由【FOODEX JAPAN 2024レポート】

PR

2024年3月19日(火)06時58分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

多彩な料理へのアレンジにより、日本産水産物の新たな魅力を発見

北海道産ホタテを堪能する海外バイヤー

北海道産ホタテを堪能する海外バイヤー

レセプションには、全国各地の水産関係事業者と海外のバイヤー、さらには海外に発信力のあるフードライターやインフルエンサーなど、合わせて200人近くが参加し、立食形式で行われた。今回招待したバイヤーの国籍は、アメリカ、カナダ、スペインなどの欧米諸国、インドネシア、フィリピン、タイ、ベトナム、シンガポールなどの東南アジア、さらにはUAE及びインドなど幅広い。

参加したバイヤーからは、「日本産水産物をどのように取り扱えばよいのか知りたい」という声が多数上がった。日本人にはなじみのある水産物でも、バイヤーの出身国ではこれらを使ったレシピや食材の魅力を知らない人が多い。せっかく仕入れたとしても、自国でどう売り込めばよいかわからないという。

こういった声に対応するためにも、レセプションでは、元公邸料理人の工藤英良シェフが日本産水産物を使った、海外でも再現性のあるバリエーション豊かな料理を多数ふるまった。

工藤シェフは、水産物のほかにも、醤油、味噌、米、かんきつなど、さまざまな日本産食材と組み合わせたメニューを提案するほか、「旬で品質の高い水産物はさっと焼いて、素材の味を活かしたシンプルな味付けにする」など、調理の際のポイントも紹介。加えて、日本酒や日本ワインとのペアリングも紹介した。さらに、ステージ上での調理デモンストレーションや、現場で活躍する漁業関係者たちとのトークセッションも実施し、日本産水産物の魅力や海外でも再現できるレシピを海外バイヤーに伝えた。

レセプションで提供された「ホタテの味噌ガーリックバター醤油ソース きんかん風味」

レセプションで提供された「ホタテの味噌ガーリックバター醤油ソース きんかん風味」。北海道産ホタテを、日本ならではの調味料である味噌と醤油、香り豊かな柚子果汁などとあわせた一品。さらにはホタテの貝殻を使用するという工夫も

日本産水産物の味を堪能した海外バイヤーからは「自国の日本料理店で取り扱いたい」という声が数多く上がった。自国の料理に使えないか、参加した国内事業者と相談するバイヤーの様子も見られた。

「『活き締め』などの伝統的な技術のほか、鮮度を保つために欠かせない冷凍技術についても、新たな技術が次々と開発されています。今回のイベントで本来の日本の水産物の魅力が世界中の人々に届けられることを期待しています」と、レセプションに参加していた国内の水産物事業者は語った。

賑わいをみせるレセプション当日の様子

賑わいをみせるレセプション当日の様子

ニュース速報

ビジネス

インフレ低下の確信「以前ほど強くない」、金利維持を

ワールド

バイデン大統領、対中関税を大幅引き上げ EVや半導

ワールド

再送-バイデン政権の対中関税引き上げ不十分、拡大す

ワールド

ジョージア議会、「スパイ法案」採択 大統領拒否権も
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少子化の本当の理由【アニメで解説】

  • 2

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダブルの「大合唱」

  • 3

    アメリカからの武器援助を勘定に入れていない?プーチンの危険なハルキウ攻勢

  • 4

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 5

    英供与車両から巨大な黒煙...ロシアのドローンが「貴…

  • 6

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 7

    ユーロビジョン決勝、イスラエル歌手の登場に生中継…

  • 8

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 9

    「ゼレンスキー暗殺計画」はプーチンへの「贈り物」…

  • 10

    ロシア国営企業の「赤字が止まらない」...20%も買い…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 4

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 5

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 6

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 9

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 10

    ウクライナ防空の切り札「機関銃ドローン」、米追加…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中