営業がつらい理由「ノルマ」が36.3% これからは「ノルマ=KGI」の時代へ
【1】業績評価
業績評価では、目標達成度など具体的な数字が評価の対象となります。評価期間中に上げた営業業績を数値化し、あらかじめ設定されている目標に対して達成率を元に評価します。
【2】能力評価
能力評価では、業績を上げるための個々の行動様式や潜在的な能力が評価対象となります。営業スタッフが持つスキルや知識、職務を通じて新たに身につけた能力、想定外の事態への対応力などが評価されます。数値化が難しいこれらの項目は、(評価者の)主観を排除した公平な評価を行うことが課題となります。
【3】情意評価
仕事に対する取り組み方や姿勢を評価する項目も設けられることもあります。これは"情意評価"と呼ばれ、仕事への熱意や意欲的な姿勢、勤怠や勤務態度、積極的な業務改善姿勢などが評価対象となります。
営業業績が伸び悩んだり、能力の向上が見られなかったりしても、仕事への向き合い方や姿勢への評価を通じて公平に評価し、モチベーション維持につなげることが可能です。
目標を達成できない営業スタッフへの個別の対応
ときには、目標達成に苦戦するスタッフもいるでしょう。そうしたスタッフへの個別対応は、組織の健全性と長期的な業績に大いに影響します。
対応策として、目標達成できない原因を考え、今後の改善策を練ることや、トップセールスなどのノウハウ共有を行うことが有効的でしょう。また、目標達成できない状態が続くと、自己評価が低下し、モチベーションが低下することがあります。定期的な1on1ミーティングを行うなど、心身のサポートをできる体制にしておきましょう。
また、最も重要なポイントとしては、目標達成が難しいスタッフに対して、数値の達成だけでなく、行動や努力を評価する公正な評価体系を整備することです。行動考課や情意評価を導入し、スタッフの努力を適切に評価しましょう。
まとめ
「目標必達」の意味を込めて使うアップデート版"ノルマ"は重要な指標ですが、過度な"ノルマ"は強引な営業やプレッシャーによるメンタル不調などを招きやすいため、適切な設定と運用が必要です。
現代にフィットするように、KGI・KPIといった指標を用い、現場のスタッフと十分にコミュニケーションをとったうえで決定しましょう。目標達成困難な社員には適切なサポート体制や公正な評価体系をつくりましょう。
[執筆者]
山口ヨシカズ
大手精密機械メーカーのソフトウェアエンジニアを経てライターに転向。IT、DX、テクノロジー関連を中心に、金融、不動産、マーケティングなど幅広いジャンルで執筆している。大学院時代の専攻は電子情報システム工学。猫が好き。
2023.07.13