最新記事

日本社会

転職すべき「隠れた優良企業」を見つけるコツは? 実は国が公開していた

2023年3月27日(月)17時30分
佐野創太(企業顧問、「退職学」の研究家) *PRESIDENT Onlineからの転載

グローバルニッチトップ企業は見つけにくい

実際に、グローバルニッチトップ100選の企業に、法人営業として転職した相談者さんは、働き始めて1年経って、こう教えてくれました。

顧客と対等な関係になれるなんて夢にも思いませんでした。お客様から相談してくるんです。これまで土下座する勢いでお客様にお願いする立場だったので、驚きました。弊社にしかできない仕事なので、やりがいがあります。

相談者さんは、スキルアップしたわけではありません。ただ、働く場所を見つけて変えただけ。たったこれだけで、ストレスがなくなるなら、すぐにでもグローバルニッチトップ企業を調べてみたいと思いませんか?

ただし、グローバルニッチトップ企業は、よく調べなければ「何をしているかわからない」会社も多いでしょう。

隠れた優良中小企業は求人サイトで大手企業のように写真が多数、派手な言葉で掲載されていないことも多いので、見つけにくいという特徴もあります。

「採用はしていません」を真に受けてはいけない

ご安心ください。転職サイトの多くには「キーワード検索」や「フリーワード検索」があります。サイトの窓に「ニッチトップ」「独自技術」「シェアNO.1」「リーディングカンパニー」と打ち込んでください。

あなたにピッタリの企業が、宝探しのように楽しく見つかります。

転職サイトに掲載されていない企業も多々あります。もっと言えば、お問合わせや採用ページから直接応募する必要がある企業も割とあります。「ただいま、採用活動は行っておりません」とページに表示される企業すらあります。

だからこそ、いいのです。この時点で、大勢の転職者が脱落していきます。

「採用はしていません」という言葉を、真に受けないでください。HPにはそう記載しておきながら「いい人がいたら採用したい」と考えている企業は、案外多いのです(もちろん、本当に募集していない場合もあります)。

その調べるハードル、応募するハードルの高さが参入障壁となり、転職活動のライバルを減らしてくれます。

グローバルニッチトップ企業は採用に苦戦している

隠れ優良企業である「グローバルニッチトップ企業」の探し方を知ったあなたは、同じく転職活動を始めようとしている人よりも、一歩も二歩もリードしていることでしょう。

「隠れ優良企業リスト」の人事担当者は口をそろえて「うちは地味だからな」と言います。ほとんどが、採用に苦戦しているのです。

そうした中、人事に直接アプローチすれば、たとえ表立って採用活動をしていなかったとしてもたいていの人事は会ってくれます。人事も興味があるからです。「どうやってウチを見つけたの?」と質問してくることでしょう。

そこに志望意欲が高く、強みと経験があるあなたが現れたら、間違いなく一目置かれる人物として大歓迎されるでしょう。入社初日に「救世主が現れました」なんて紹介された相談者さんもいます。

みんながやらないことで、差をつける好例です。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ジョージア「スパイ法案」、大統領が拒否権発動

ビジネス

必要なら利上げも、インフレは今年改善なく=ボウマン

ワールド

台湾の頼次期総統、20日の就任式で中国との「現状維

ワールド

イスラエル軍、ガザ北部で攻勢強化 米大統領補佐官が
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバいのか!?

  • 3

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイジェリアの少年」...経験した偏見と苦難、そして現在の夢

  • 4

    「まるでロイヤルツアー」...メーガン妃とヘンリー王…

  • 5

    時速160キロで走行...制御失ったテスラが宙を舞い、4…

  • 6

    チャールズ英国王、自身の「不気味」な肖像画を見た…

  • 7

    日本とはどこが違う? 韓国ドラマのオリジナルサウン…

  • 8

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 9

    英供与車両から巨大な黒煙...ロシアのドローンが「貴…

  • 10

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 6

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 7

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 8

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 9

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 10

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中