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ビットコインとイーサリアムは実際どれだけ「普及」したのか、データ分析の結果

2022年1月13日(木)18時00分
千野剛司(クラーケン・ジャパン代表)

その後、月間アクティブアドレス数は急回復していますが、ちょうど、中国のマイナーが北米などでマイニング事業を再開した時期と考えることができます。ビットコインの回復速度が早い背景には、イーサリアムの高い手数料問題があげられるかもしれません。

また、2017年末から2018年初頭にかけて、月間アクティブアドレス数はライブアドレス数よりも大幅に増えています。

上記から、月間アクティブアドレスは、一過性のブームやイベントに流されやすい指標と言えるでしょう。コミュニティ内の根強い支持者を特定する上では、使い勝手がよくないかもしれません。ただ、ライブアドレスと合わせて二刀流でいくことで、より明確な普及トレンドが観察できるようになります。

本稿では、暗号資産の普及率を見る上で、ビットコインとイーサリアムの400ドル以上のライブアドレスを見ることが比較的良い方法であると紹介しました。400ドル以上のライブアドレスにおいて、2021年、イーサリアムが274万アドレス増えたのに対してビットコインは88万6000アドレス増えました。

実際は、これらに加えて、PayPalやロビンフッド、クラーケンなど取引所など「オフチェーン」で顧客の資産を管理する会社で取引をするユーザーも多く存在します。これらの顧客数が反映されていない400ドル以上のライブアドレス数の変化は、「控えめ」な普及率見込みと考えられるかもしれません。

参考: Crypto-In-Review 2021

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